一章 出会いと告白
□六 新たな仲間
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イレブン「ふう、何とかなったね。よかった」
イレブン達は安心したように戦闘態勢をやめた
ロウ「ラースよ、すまんかったのう。ベホイムじゃ」
ロウはすぐさまラースの体に緑色の魔法陣を描き、強い治癒の力をかけ、傷を塞がせた
ラース「ああ、ありがとな、じいさん」
ラースはそのままゆっくり立ち上がり、イレブン達の前にひざまづいた
ラース「さて、勇者様。あなた方の力、拝見させていただきました。仲間達との絆、連携力、その場による判断力、どれも十分であると判断しました。
村一番の戦士ラースにより、村の宝シルバーオーブをお渡しします。こちらをどうぞ」
ラースは自身の鞄から銀色に光り輝くシルバーオーブを取り出して、イレブンに捧げた
イレブンはシルバーオーブを手に入れた
ラース「このシルバーオーブの他に、残り5つのオーブがあります。それを全て集め、始祖の森という場所にある祭壇に捧げると命の大樹に行くことができるそうです。
ですが、オーブは悪しき者の手に渡ると様々な力を与えるとの事ですので、十分お気をつけを」
ラースはひざまづいたまま、イレブンに忠誠の構えを取って話している
その口調は今までのラースとは違いかなり真面目な話し方をしており、大事な事なのだろうと全員が静かに見ていた
イレブン「うん。ありがとう」
ラース「ふう、それじゃ堅苦しいのは終わりだな。俺には似合わねえし」
ラースは息を抜いたように元に戻り立ち上がった。少し伸びもしているため、ラースも精神的に疲れるような仕草だったのだと予想される
ロウ「ふぉっふぉっ、中々似合っておったぞ」
ラース「そうか?それならいいんだが.....
なあ、イレブン。俺もみんなの旅について行ってもいいか?
確か、魔王を倒すんだったよな?俺も魔王を倒してこの村の仇をとるんだ。そのためにはもっと強くならないといけないからな。みんなと行けばもっと強くなれると思ったんだ。
頼む!俺も連れて行ってくれ!」
ラースはイレブンに頭を下げている
イレブン「うん。全然構わないよ。ラースはかなり強いみたいだし、戦力としてもありがたいよ。よろしくね」
イレブンは笑顔でラースに手を差し伸べた
ラース「へへ、ありがとな、イレブン」
ラースもその答えに笑顔でイレブンの手を取った
ラースが仲間にくわわった
マルティナ「ふふ、またあなたと一緒に旅ができるのね。あの時の恩もまだ返せてないし、この旅のどこかで返すわね」
マルティナはどこか嬉しそうにしながら話している
ラース「まだ気にしてたのか。あれは俺の善意でやったことだ。まあ、俺がピンチになったら助けてくれ。それでおあいこだな」
ラースも少し顔を穏やかにして答えている
カミュ「それで次の目的地はどこに行く?ラースは他のオーブの場所は知らないのか?」
ラース「知らないわけじゃあないが、ほとんどは場所が明らかになっていないからな。今オーブはいくつあるんだ?」
ラースは考えながら聞いた
ベロニカ「今私たちはレッドオーブとイエローオーブを持ってるわ」
ラース「おお!イエローオーブの場所は知らなかったが、レッドオーブはデルカダールの国宝だったはずだ。よく手に入れられたな!
俺があと知ってるのは、ブルーオーブがここより北にある魔法大国クレイモランの国宝だって事ぐらいのはずだな」