一章 出会いと告白

□七 人魚
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ラース「海底王国に行けば、海底に沈んだと言われているオーブの手がかりがあるはずだ。イレブン、ロミアのお願いを聞いてあげようぜ」


マルティナ「そうね。もし無かったとしても何か他のオーブの手がかりがあるかもしれないわ」


ラースとマルティナはイレブンにお願いした


イレブン「うん、そうしよう」


ロミア「ありがとうございます。キナイのいるナギムナー村は、ここからはるか東のホムスビ山地の海岸にあります。


キナイは荒波のように男らしく、潮風のようにさわやかで海のように大らかな人がキナイです。船は私が動かせるようにしておくので、よろしくお願いします!」


ナギムナー村


シルビア「フフフッ!ここがナギムナー村ね。ロミアに聞いた話だと、世界一の真珠がとれるって有名らしいわ」


べ、セ「ステキ!」


ベロニカとセーニャは手を合わせ、喜ぶように声をあげた


シルビア「青い海!白い砂浜!きらめく真珠と屈強な男達!まさに地上の楽園ね!」


シルビアもノリノリで楽しそうにしている


ラース「......だが活気がないみたいだ。男達は見当たらないしな」


周りを見渡しても人は少なく、女性やお婆さんしか見当たらなかった


カミュ「何だか訳ありみたいだな。まあいい、面倒事はゴメンだ。キナイとやらを探しに行こうぜ」


マルティナ「すみません。キナイという人を知りませんか?」


マルティナが近くにいた女性に声をかけた


おばさん「キナイという人を知りたかったら、教会にキナイのお母さんがいるから、その人に聞いてみるといいさぁ〜」


イレブン「ありがとうございます。教会に行ってみようか」


教会


教会前では紙芝居を持ったお婆さんが子ども達を集めていた


子ども「あ、おばあちゃんだ!みんな紙芝居が始まるぞ!」


おばあちゃん「みんな。静かにお聴き。
今からの話は、この村に伝わる忌まわしき呪いのお話じゃ。この世で最も美しく、最も恐ろしい生き物の物語じゃ。


昔々、この村にとてもウデのいい漁師がおりました。村長は漁師を気に入り、自慢の一人娘と結婚させました。娘は漁師が大好きでした。村長はこれで村は安泰だ。と安心しておりました。


しかし、悪魔のような嵐が漁師を海に放り出しました。漁師は死を覚悟しました。そこに、それはそれは美しい人魚が現れ、こう囁きました。


生きたいならば魂おくれ


その後、死んだと思われていた漁師が帰ってきました
娘は大層喜びましたが、漁師は別人のようでした。
毎日海を眺めては、人魚と結婚するんだと言うばかり
さらに、娘を見捨て村を出るんだというばかり。


村長は怒り、漁師を捕まえ漁師の船を燃やしてしまいました。
こうして人魚に魂を喰われた漁師は、暗くさびしいしじまヶ浜に閉じ込められてしまいました。


今日はここまでじゃ。みんな、また明日」


話が終わると子ども達はまた遊びに行った


ラース「すみません。聞きたい事があるんですけど」


おばあちゃん「おや、旅の方かね?こんな老いぼれに何か用かの?」


ベロニカ「私達、漁師のキナイって人を探してるの。この村にいるらしいんだけど」


おばあちゃん「おや、あんた達はあの子の友達かい?珍しい事もあるもんだねえ。キナイは私の息子だよ」


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