一章 出会いと告白

□十三 壁画の世界
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壁画の世界


全員が目を覚ますと、周りは見たこともない雰囲気になっていた


イレブン「くっ....」


カミュ「何だ、この奇妙な場所は?夢の中ってわけでもないな」


セーニャ「何だか不思議な感じがしますね。まるで絵の中に入ってしまったよう」


ラース「そんなのアリなのかよ」


シルビア「ねえ。もしかして、メルちゃんもこの場所に連れてこられてるんじゃないかしら。どの道いつまでもここにいても仕方ないし、探してみましょう。イレブンちゃん」


イレブン「確かにシルビアの言う通りだね。メルちゃんを探しながら、帰る方法も探そう」


マルティナ「こんな所でも魔物はいるみたいね。慎重に進みましょう」


その後


奥には先程カミュと言い合っていた観光客達が扉のような物の前で立ち尽くしていた


扉のような物の前にも壁画と同じ絵が描かれてある


カミュ「あそこにいるのはさっきの観光客達じゃないか?おい、アンタらそこで何してんだ」


セーニャ「皆さんはここに集まって何を?それにこの女性の方は遺跡の壁画にも描かれていましたが、どなたなのでしょう」


ベロニカ「どこの誰だか知らないけど、自己主張激しすぎじゃない?」


その時、どこからか声が聞こえてきた


???「カカカ、妾の美しさがわからぬとは子どもとは言え、愚かよのう」


全員「!!!」


???「カカ、どこを見ておる、こちらじゃ愚か者どもよ」


ラース「みんな!絵だ!」


セーニャ「絵が動きました!」


絵に描かれてある女性の目が動きこちらを見つめていた


???「ひい、ふう、みい....ふむ、8色か。汚い色ばかりで飽いていた所じゃ、歓迎するぞ、ようこそ我が世界へ。特にお前。お前は他の者とは違うな。なかなかよい色になりそうじゃ」


絵の女性はイレブンを見ている


イレブン「!?」


???「先だって妾に魅了された者同様、残らず吸収し妾の美を支える一部としてくれよう。どのような色になるか楽しみにしているぞ」


観光客達「うう.....ああ....」


扉が無くなり、観光客達はその先へと歩いていく


セーニャ「ああ!皆さん行ってはいけません!」


シルビア「危険な匂いがプンプンするわ。早くメルちゃんを見つけて、この場所から出た方がよさそうね」


壁画世界内部


観光客達に追いつくと蔓のようなもので覆われた階段があり、そこから先には進めないようになっていた


セーニャ「これは....一体何を?....とても嫌な感じがします」


シュルルル!グバア!


突如周りのツタが動き始めた


ベロニカ「何あのツタ!口を開いたわ!」


フワー


口を開けたツタに観光客達が吸い寄せられていく


ラース「観光客達が浮いて、あのツタの中に取り込まれていくぞ!まさか、これが吸収なのか!?」


カミュ「チッ!こっちにも来るぞ!」


ロウ「こやつらに吸収させるために、あの者達やわしらをこの世界に引きずり込んだのか」


イレブン「!」勇者の痣が光りはじめる


ウウ.....グルルル!ドスン!


ツタは光を浴びると苦しそうに地面に落ち、動けなくなった


カミュ「今のうちに逃げるぞ、みんな!あっちだ!」
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