一章 出会いと告白
□二十 聖地ラムダ
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次の日、聖地ラムダ
そこは綺麗な石で出来た大きな門があり、そこからとても立派な神殿が目に移る。全ての建物が白い綺麗な石で出来ており統一感がある。陽の光に照らされ、全体が輝いている
マルティナ「何だか今までとは空気が違うわね。険しい山道を抜けた先に、こんな神秘的な場所があるなんて」
ラース「そうだな。里全体が神殿のようになっているし、綺麗だな。神聖な雰囲気だぜ」
ベロニカ「静かすぎて退屈な場所だけど、故郷を褒められると何だか照れるわね」
セーニャ「行きましょう、イレブン様。勇者様がいらしたと聞けば、皆さん喜びますわ」
広場
広場には人が集まっており、真ん中には老人が赤ん坊を抱えて、大樹に向かって何かを喋っている
???「世界中の命を束ね、見守りし命の大樹よ。今日、このラムダの地にまた一つ、新たな命が生まれました。
かつて古き葉として散った命は、こうして新たな葉として芽吹き、また違う一生を歩んでいくのでしょう。我らの母、命の大樹よ。聖地ラムダのいとけない若葉に、どうか祝福を授けたまえ」
祈りを済ませた老人は振り返ると、ベロニカとセーニャに気づいた
???「.......むっ?おお!双賢の姉妹ベロニカとセーニャではないか!」
セーニャ「長老様、お久しぶりですわ。皆さまお変わりないようで何よりです」
長老「ぬ?ベロニカ。そなた、しばらく見ない間にずいぶん背が縮んでしまったようじゃな」
ベロニカ「これにはちょっと色々あってね。それよりほら、私達言いつけ通り勇者様を見つけてきたわよ!」
長老「おお!赤子に祝福を授ける日に勇者様がいらっしゃるとは。なんと今日はめでたき日よ。私は長老ファナード。こうしてお会いできる時を、何年もの間お待ちしておりました」
セーニャ「長老様、私達世界中を旅して、勇者様の命を狙う邪悪な者の存在をついに突きとめたのです」
今までの事を長老に話した
長老「.....なるほど。ウルノーガなる者がデルカダール王国の誰かに化け、勇者様を亡き者にしようと」
セーニャ「私達はウルノーガを倒すため、闇の力を払う何かが眠っているという、命の大樹の所へ向かうことになります」
ベロニカ「命の大樹には、始祖の森の頂上にある祭壇に6つのオーブを捧げれば行けるらしいわ」
長老「私はかつて、ベロニカとセーニャが勇者様とともに命の大樹を目指し、天高い山を登っていく夢を見ました。あの夢はきっと、大樹の神託。
そう思いベロニカとセーニャの二人を勇者様のもとへ遣わしたのですが、これで全て明らかになりました。
あの夢は、勇者様が始祖の森の頂上にある祭壇へ向かう光景を示していたのでしょう。始祖の森へ続く道はこの先にみえる大聖堂の奥にあります。それではこちらへついてきてください」
大聖堂
中には何枚もの絵が飾られていた
マルティナ「なんて綺麗な絵。この絵は一体何を描いたものなのかしら」
長老「こちらの絵の数々は、ラムダの地に伝わる神話の一節を表したものです。
勇者とは、世界に災厄が訪れる時大樹に選ばれて生まれてくる存在
この世界に初めて勇者という存在が降臨されたのは、はるか古の時代のことです
ロトゼタシアの全ての命の源は命の大樹。邪悪の神はその大樹の中に眠る生命力の根源、大樹の魂を奪おうとしました。
そんな時代に命の大樹に選ばれ、生まれたのが、イレブン様と同じ痣を携えた伝説の勇者ローシュ様です。
そして勇者ローシュ様とともに戦ったお仲間の一人、賢者セニカ様
そのセニカ様の生まれ変わりと言われているのが、そちらのベロニカとセーニャなのです。
ウルノーガ。邪神亡きこの時代に、イレブン様がなぜ勇者として生を授かったのか。皆様の話を聞いて全て繋がりました。どうか、ウルノーガなる者を倒し、世界の未来をお守りくださいませ」
イレブン「はい!」