二章 崩壊した世界と誓い
□五 親子
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メダチャット地方 大橋付近
グレイグ「む?旅の者が魔物に襲われている!助けにいくぞ」
その時、どこからか軽快な音楽が流れてきた
丘の上から不思議な格好をした人達が現れた
パレード達「はい!」
その中心にはシルビアの姿があった
シルビア「そこの悪い魔物ちゃん!無垢な民を襲うのはやめなさい!」
魔物「グアオオオ!」
魔物はシルビアを見た後、何事もなかったかのように襲おうとしている
シルビア「やれやれ。お仕置きしないとわからないようね。とうっ!」
魔物「ぐはっ!」ジュワー
魔物はシルビアにより、片づけられた
シルビア「はい!」
パレードA「キャ〜!カッコイイ〜!」
パレードB「流石はオネエさま〜!なんて優雅な身のこなし!美しいわん!」
グレイグ「..........」
グレイグはポカンとした様子で見ている
イレブン「シ、シルビア、久しぶりだね。なんか、シルビアみたいな人がたくさんいるけど」
シルビア「......あら。......やだ。もしかして......イレブンちゃんじゃないっっ!」
シルビアはイレブンに抱きついた
グレイグ「.....おい、なんだこいつらは。イレブンの知り合いか?一体何をしているんだ?」
シルビア「何よ〜。見てわからないの?決まってるじゃな〜い。世界に〜〜」
パレード達全員「笑顔を取り戻す!!」
シルビアの掛け声に合わせて全員が声を合わせる
シルビア「そんな訳で暗い世界に光を照らすため、アタシ世界各地を練り歩いて、世助けパレードをしていたの。この子達は大切なナカマ達。アタシに共感して、旅の途中でパレードに加わってくれたの」
イレブン「すごいよ!シルビア!!とってもいい考えだよ!」
シルビア「ありがとう、イレブンちゃん。それにしても、あんな事があったのに二人とも生きてるなんて奇跡よね!イレブンちゃんとまた会えて感激だわ!」
???「あ、あのぉ〜」
襲われていた人が話しかけてきた
シルビア「あら、アナタ!ほっぽりだしちゃってごめんなさい。怪我はなかったかしら?」
バハトラ「おかげさまで擦り傷一つもないだ。あんたヘンテコりんな格好してっけどすんげえ強えんだな。オラ、バハトラってんだ。南にあるプチャラオ村から来たけど命拾いしただ。感謝するだよ」
シルビア「あら、そうだったの。なら、プチャラオ村まで送り届けてあ・げ・る・わ。ねえ、イレブンちゃん。これからの事は後で考えるとして、ちょこっとだけ世助けパレードに付き合ってみない?」
イレブン「うん。楽しそうだし、僕もやりたい!」
シルビア「それでこそイレブンちゃんね。さあ、新しいセカイの扉を開くわよ!ちょっとこれ着てみて!」
イレブン「わかった」
イレブンは渡された服を着てシルビアに見せた
シルビア「キャ〜ッ!ステキ〜ッ!アタシの目に間違いはなかったわ!皆〜、この子がアタシと一緒に冒険していた、かの有名なイレブンちゃんよ!
さ!今からイレブンちゃんがアタシ達チーム世助けパレードのボスよ!皆!イレブンちゃんに続けー!」
パレード「ワーーー!」
プチャラオ村
シルビア「ハ〜イ!プチャラオ村にとうちゃ〜く!あら.....やっぱりこの村もドンヨリした空気に包まれてるわね」
村につくと、前までの活気な雰囲気は微塵もなく暗い雰囲気に包まれていた
バハトラ「......それじゃあオラはここで失礼するだ。ここまで世話になったな。ありがとうよ」
バハトラはさっさと戻っていった
グレイグ「あの男、村から離れたあんな所まで行っていたのはワケがありそうだな。この村の悲壮な様子とも関係があるのかもしれない」
シルビア「ウフフ、それなら世助けパレードの出番ね。まずはこの村で何が起こっているのか調べましょ!さあ、村の皆を笑顔にするわよ〜!聞きこみ〜、始め〜!」
シルビアの掛け声に合わせ、パレードの人達も散り散りになっていった
グレイグ「.....あのシルビアとかいう者、どこかひっかかる。ずっと昔に会った事あるような」
バハトラ宅
そこには村の男性がバハトラの帰りを喜んでいた
男「おお、バハトラ!いやーよかった。息子のチェロンだけでなく、お前までいなくなったと思って心配してたんだ」
シルビア「あなたのおぼっちゃん、いなくなっちゃったの?」
バハトラ「.....フン。チェロンみてえな自分勝手な息子なんて知らねえだ」スタスタ
バハトラは不機嫌そうにさっていった
男「すみません、旅の方。バハトラのやつ、大事にしてた嫁さんに先立たれただけでなく、息子までいなくなって気が立ってるんです。
フールフールの話はご存知です?大樹が地に落ち、世界が闇に包まれた直後の事。ヤツは魔物の群れを引きつれ現れました。私達は逃げる事も出来ずに恐怖に震えました。
するとヤツは私達を広場に集めて、お前達の一番大切な物を教えろ。その大切な物だけは助けてやろうと言ったのです。怯えた私達はその言葉にすがって、大切な物をあげていったんです。お金、愛する妻や夫、子どもなど。
ところが、それはウソだった!あの忌々しい魔物は、その大切な物を奪っていったんです」
シルビア「まあ、何て事を。ウソつきは一番許せないわ!アタシ達世助けパレードが攫われた皆を助けてあげる!」
男「ほ、本当ですか!ですがヤツは強く、ズル賢いですよ」
シルビア「ご心配あれ。騎士に二言はないっていうでしょ」
グレイグ「騎士だと?」
グレイグはシルビアの言葉に疑問を抱く
男「フールフールは南の方へ去って行きました。そこにヤツの住処があるのかもしれません」
イレブン「わかった。それじゃあまずは、南の方を探ってみようか」