二章 崩壊した世界と誓い

□七 悪夢
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内海


突然強い風と雨が降り始め、海は大荒れとなってきた


ロウ「何じゃ、急に海が荒れて来たのう」


グレイグ「おい、ゴリアテ。貴様の船はこれしきの嵐で沈んだりしないだろうな」


シルビア「くっ!今、荒波ちゃんと戦ってるんだから話しかけないで!」


におう....におうぞ.....命の匂いだ


どこからか声が聞こえてきた


グレイグ「何だ、今の声は」


グラグラ!


船が大きく傾いた


ロウ「のわーーー!」


ハハハハハ!我が名は、覇海軍王ジャコラ!
魔王様より、この海を統べるよう賜った


ザバァン!


ジャコラ「我が海を汚すザコ共めが。その命、もらいうける」


海からは巨大な魚のような魔物が姿を現した


頭には赤く光るオーブがある


イレブン「こいつは!!」


ロウ「ぬう、化け物め。なめくさりおって。グランドクロス!」


ジャコラ「ハハハ!効かぬわ」


ロウの放ったグランドクロスは当たったが、ジャコラにはびくともしなかった


ロウ「何じゃと!?わしのグランドクロスが効かぬじゃと!?どうなっておるんじゃ」


ジャコラ「魔王様より授かったレッドオーブの力を使えば、そんな物効かぬわ!海の底に沈めっ!」


イレブン「うわー!」ザバン!


ジャコラの攻撃を受けたイレブンは吹き飛ばされ、海へと落ちていった


ロウ「イレブン!!」


イレブンは意識が遠のいていった


???


イレブン「.....ん。あれ、ここどこ?」


イレブンが目を覚ますと草原が広がっており、先には小さな小屋があった


イレブン「とりあえず小屋に行ってみよう」


小屋内


そこには釣りをしているおじさんの姿があった


???「な〜んじゃ、誰かと思えばお主か。驚かんでもええ。ここは天国でも地獄でもない場所。安心するがいいぞ。どれ、一緒に釣りでもやらんか」


イレブン「......わかりました。.....ってあれ?」


目を離した瞬間におじさんの姿からおじいさんの姿になっていた


???「なんじゃ。わしの顔をジロジロ見おって」


イレブン「いや、さっきと人が....」


???「わしのこの格好が気に入らんか、これでどうじゃ?.....これもダメか。これでどうじゃ?......ふむ、ワシの姿が定まらんところを見ると、お主ワシの事を知らんようじゃな。


ワシはお主の世界では預言者と言われておる。ワシに抱く姿形が人によって違うのでな。その姿によってワシの姿は変わるのじゃ。どうじゃ、何か釣れたか?」


イレブン「いや、何も釣れてないよ」


預言者「じゃろうな。.....今はまだその時でないという事じゃ。釣れる時は釣れる。来たるべき時が来るまで、耐え忍ぶ事。それが肝要じゃ。


そういえば、お主の仲間にも会った気がするの。名前はカミュと言ったか。まあよい。部屋に戻るとするかの」


部屋


預言者「さて、ここに来たという事は何か迷っておるな、失礼するぞ。ふむ.....お主、勇者の力を無くしたと思っておるな?」


預言者はイレブンの頭に手を添えると悩みを言い当てた


イレブン「そうなんです、僕は勇者の力が無くなってしまって」


預言者「残念じゃが、ワシにできることは何も無い。だが、一つ言える事はある。勇者の力を魔王に握り潰されたと思っておるようだが、力なんてもんは見えやしないし、触れもしない。簡単に握り潰せるようなヤワなもんじゃない。特に勇者の力なんてもんはな」


イレブン「えっと....つまり?」


預言者「何だ、まだわからぬのか。まあよい。釣れる時は釣れるように時が来れば自ずと掴めるものじゃ。そういえば、お主今気絶しておるんじゃの。じゃが安心せい。大樹が言っておる。


お主は、まだ倒れる運命にないとな。ゆっくりしてはいられんぞ。お主は勇者。やるべき事はわかっておろう?世界を救え」


イレブンは意識が遠のいていった


船着場


シルビア「あ!目を覚ましたわ!」


イレブン「こ、ここは?」


ロウ「イレブンが海に落ちた後、何とかわしらはお主を救出しようとしたんじゃが絶望的での。そんな時、お主が光に包まれて海から上がってきたのじゃ。わしは腰を抜かしそうになったがのう。なんとかあの場を切り抜け、ここまで逃げおおせたわけじゃ」


イレブン「さっきまで僕、不思議な場所にいてね、次々と姿を変える預言者って人に出会ったの」


シルビア「んもう!イレブンちゃんったら。夢でも見たのね」


グレイグ「疲れておるのだろう。船員の宿舎を借りれるようだから、そこで一晩休んで行こう」


その時、海に光が登り文字が浮かんできた


イレブン「?勇気を胸に いかずちを手に」


ロウ「?どうしたのじゃ、イレブン?海を見て」


イレブン「......ううん、何でもないよ、おじいちゃん」
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