二章 崩壊した世界と誓い

□八 呪われしマルティナ
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グロッタの町


中に入ると前までの熱気溢れる雰囲気はなく、ネオンのライトが至る所で光っておりどこか賑やかになっている。また、大きな銅像も姿が変わっていた


シルビア「何だか様子がおかしいわね。それにあんな悪趣味な像あったかしら?」


魔物「ようこそ、グロッタの町へ」


イレブン達の近くにいて話しかけてきたのは魔物だった


グレイグ「町の中に魔物!?油断するな、イレブン!」


グレイグ達は全員魔物の姿を見て構えた


魔物「おやおやお客さん。困りますよ、どうか落ち着いてください。このグロッタの町は今や幸せな楽園に変わったのです。そんな場所で戦闘なんてヤボですよ。


野蛮なコロシアムなんてもう古い!これからは六軍王であるブギー様が作ったモンスターカジノが、ここの新名物ですよ。あなた達も興味がおありでしたら、ぜひ2階にあるカジノへ行ってください」


ロウ「怪しい匂いしかしないが、マルティナがいるやもしれん。モンスターカジノに向かってみるとするかの」


モンスターカジノ


イレブン「あれ?ここから先は?」


魔物A「ここから先はVIPなお客さんしか入れない所だよ。VIPに選ばれたかったら、ラブリーエキスを持ってきてね」


グレイグ「なぜまたそんな物を」


イレブン「仕方ないね。ここにマルティナはいないみたいだから、VIPの所に行ってるのかも。スロットでラブリーエキス分のコインを集めよう」


しばらくして


イレブン「はい、ラブリーエキス。これで通してくれる?」


魔物A「あ〜これよ、これ。これで君も立派なVIPなお客さんだね。さあ、通って」


イレブン「ふう、すぐに集まってよかった」


魔物B「あら、人間のお客様なんて珍しい。どんどん楽しんでいってね。さあ、こっちに来て。ねえさぁん!出番よ!今日もやっちゃってちょうだい」


奥からはある女性がやってきた


???「うふふ、次はどんなボウヤが来たのかしら?」


全員「な!?」


それはバニー姿になったマルティナだった。しかし、前までの凛とした雰囲気はなく、黒い体に包まれ、大人の女性の雰囲気がかなり強くなっている


呪いマルティナ「あら?グレイグじゃない。あなたみたいな頭でっかちでも、こんな所に出入りするのね。あんたも刺激が欲しいのね。たーっぷりサービスしてあげるから、アタシと一緒に遊びましょ?」


マルティナはグレイグの胸に背中を寄せた


グレイグ「ひっ、ひっ....姫様!何とはしたない!」


呪いマルティナ「ハァ。グレイグ、あんたって本当、ウンザリするほど真面目な男ね。忠実なだけなら犬でもできるわよ。ねえ、アタシの犬にしてあげましょうか?世界で一番幸せなペットにしてあげる」


ロウ「な、何とハレンチなっ!一体どうしたんじゃ、マルティナ!今は冗談を言っている場合じゃないぞい!打倒ウルノーガの信念を貫くため、わしらにはお主の力が必要なんじゃ!さあ、もう一度わしらと旅を」


呪いマルティナ「んもう!相変わらずうるさいじじいね。楽しい雰囲気がシラケちゃうじゃない。いい?今のアタシにとって、ウルノーガなんてどうでもいいの。


こんな世界、もっと壊れちゃえばいいわ。アタシが興味あるのは、このカジノを作った六軍王ブギー様だけ。アタシの身も心もブギー様の物なのよ」


シルビア「マルティナちゃん!そんな事をラースちゃんが知ったら何て言うか!目を覚ましてちょうだい!」


呪いマルティナ「ラース?ああ、あの男ね、もう忘れたわ。一時の迷いよ。だから、アタシはあんた達にはついていかないわ!アタシはブギー様と一緒に、このカジノを盛り上げていくんだから」


グレイグ「姫様、こんな所からは早く出ましょう。さあ!」


グレイグは強引に手を掴もうとする


呪いマルティナ「はあっ!」


マルティナはグレイグの手を払い除けた瞬間、回しげりを叩き込む


グレイグ「ぐうっ!」


グレイグは顔に飛んできた蹴りを間一髪でガードする


呪いマルティナ「気安く触らないでくれる?女の誘い方も知らないの?あんた、何もわかってないのね?どうやら、あなた達みたいな人にはきつーいお仕置きが必要みたいね。アタシの蹴りで黙らせてあげる!」


呪われしマルティナがあらわれた


グレイグ「イレブン、姫様の目を覚まさせるぞ!」


イレブン「あまり痛くないようにしないとね!」


イレブンがマルティナに大剣を持って向かっていく


シルビア「イレブンちゃん!バイキルト!」


シルビアはイレブンの体に緑の魔法陣を描くと、イレブン全体が緑色のオーラに包まれ、イレブンの筋肉がかなり増大する


イレブン「渾身斬り!」


イレブンはパワーアップした渾身の一撃をマルティナに放つ


呪いマルティナ「うふふ、そんなの当たるわけないじゃない」


マルティナは大振りの一撃を軽々と避ける


イレブン「だろうね!」


呪いマルティナ「!?」


ガン!


イレブンの大振りの一撃は地面に強く当たった


イレブン「斬り返し!」


イレブンは地面で跳ね返った反動を利用しながら、マルティナに向かって下から大剣を斬り上げた


ザシュッ!


呪いマルティナ「キャアッ!!くっ、なぎはらい!」


マルティナは直撃するが、負けじとイレブンの横脇に槍を薙ぎ払った


イレブン「ガハッ!」


呪いマルティナ「ふふ」


マルティナはグレイグの元に向かう


グレイグ「さあ、来るのです、姫様!」


呪いマルティナ「あなたにはこれよ。そ〜れ、ぱふぱふ」


マルティナは女性特有の動きをグレイグの体に当てる


グレイグ「!!?う、うおお」


グレイグは予想外の動きに困惑してしまった


ロウ「な、なんと羨まし.....じゃない。グランドクロス!」


ロウは気持ちを切り替えて、十字の攻撃をマルティナに放つ


呪いマルティナ「じじいなんかにはやらないわよ」


マルティナは簡単に避ける


シルビア「グレイグ!バイキルト!」


シルビアはグレイグの体に緑の魔法陣を描くと、グレイグ全体が緑色のオーラに包まれ、グレイグの筋肉がかなり増大する


イレブン「渾身斬り!」


戻ってきたイレブンが横から大剣を振りかぶる


呪いマルティナ「!?なぎはらい!キャアッ!」


イレブン「ぐっ!」


二人の攻撃がどちらも直撃する


グレイグ「蒼天魔斬!」


マルティナが怯んでいる所にグレイグが斧で斬りかかる


呪いマルティナ「危ないじゃない!セクシービーム!ばっきゅーん!」


マルティナは避けた後、体から色気の力を指先に溜め、ハートの形にしてグレイグに放った


グレイグ「ぐっ!」


ロウ「ベホマラーじゃ!」


イレブン達の周囲に緑の魔法陣が描かれ、全員に治癒の力がかけられると全員の傷が瞬時に塞がっていく


シルビア「あら、マルティナちゃんがするならアタシだってやるわ!ほとばしる〜、アモ〜レ!」


シルビアはみりょくの力を指先に溜め、ハートの形にしてマルティナに放った


呪いマルティナ「!?私と同じ技!?」


マルティナはまさかの同じ技で返された事に驚いている


イレブン「渾身斬り!」


イレブンはその隙にマルティナに再び斬りかかる


呪いマルティナ「てやあ!」


マルティナは大剣を蹴り払った


ガンッ!


イレブン「くっ!」


呪いマルティナ「あまり調子に乗らないで!なぎはらい!」


マルティナはイレブンに勢いよく槍を薙ぎ払った


イレブン「そっちこそ!」


ガキン!


イレブンは剣で防ぐ


呪いマルティナ「チッ!」


マルティナが防がれた事により、イレブンと距離を取ろうと離れると


グレイグ「蒼天魔斬!」


グレイグがマルティナの後ろから斧を振りかざしてくる


呪いマルティナ「くっ!」


マルティナはギリギリで横に避ける


グレイグ「はあっ!」


呪いマルティナ「キャアッ!」


グレイグは間髪入れずに横にマルティナを蹴る


ロウ「グランドクロス!」


その場所にロウの十字攻撃が放たれる


呪いマルティナ「キャアアッ!」


イレブン「今だよ、シルビア!同時に!」


シルビア「まっかせて〜!ほとばしる〜、アモ〜レ!」


イレブン「渾身斬り!」


シルビアのハート形の攻撃とイレブンの大剣の大振りがマルティナに同時に直撃する


呪いマルティナ「キャアア!」ドサ


呪われしマルティナを倒した


ロウ「ふう、これで目を覚ましてくれるといいんじゃが」


???「困りますなぁ、お客さん。ウチのナンバーワンディーラーをいじめてもらっちゃ」


奥から謎の魔物が騒ぎを聞きつけてやってきた


???「泣かせた女は数知れず。最強のキングオブモンスター。妖魔軍王ブギー様、参上だじょ」


緑色の太った魔物が現れた。目の近くには緑色に輝くオーブがある


シルビア「こいつがグロッタの町をこんな風にした張本人ってわけね」


ブギー「ああ、よちよち。かわいそうなボクちんのかわゆい子猫ちゃん。カタキはボクちんが取ってあげるからね」


ブギーはマルティナに近づき、頭を撫でている


グレイグ「無礼者が!!即刻、姫様から離れろ!」


ブギー「ふっふっふ。この子を仲間に引き入れようたって、そうはいかない。ボクちんの力で、マルティナをナイスバディーな魔物にしてボクちんの忠実なるしもべにしたからね」


シルビア「人間を魔物に?ということは、ここの魔物達は」


ブギー「ここの従業員はみんな人間だったんだじょ。カジノで大勝ちして調子に乗った人間を魔物に変えて、コキ使いまくるのがボクちんの何よりの楽しみなんだよーん!」


ロウ「マルティナはわしらの大事な仲間!お主の悪行に付き合わせる訳にはいかん。マルティナを返してもらうぞ」
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