一章 出会いと告白

□四 出会い
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ラース「2人は一体どこへ向かってたんだ?」


マルティナ「ここからしばらく先にあるプチャラオ村に行こうと思っていたの」


ロウ「じゃが、途中でマルティナの体調が悪くなってのう。近くに休める場所を探していたんじゃが、見つからなくてのう」


ラース「なるほどな。実は俺もプチャラオ村に向かおうとしてたんだ。俺も一緒に行くよ。さっきみたいに戦闘になると大変だろ?それに、村まではまだ距離があるからな」


ロウ「おお、それはありがたい。お願いしてもよいかの?ラースよ」


ラース「もちろんだ。じゃあ、マルティナは俺の背中に乗ってくれ。歩いているよりは負担が少ないから楽になるはずだ」


ラースはしゃがみ、マルティナに背中に乗るように促した


マルティナ「わざわざごめんなさい。お言葉に甘えさせてもらうわね」


マルティナはラースの背中に乗った


ラース「気にすんなよ、人助けだからな。戦闘になったら俺とじいさんがメインで戦おう。マルティナは後ろの方で待機していてくれ。体調が悪くなってきたら遠慮なく俺かじいさんに言えよ。それじゃあ向かおうか」


しばらく戦闘を繰り返し


ロウは戦闘を見て気になっていた事をラースに聞いた


ロウ「ラースの魔法は少し変わっておるのう。詠唱時間が短いのかのう?」


ラース「ああ。俺の魔法は発生を早めるために、詠唱に必要な文字を少し省いているんだ。そうすると普通より早く魔法が打てるようになる。


その分、威力は落ちるけどな。魔物相手だとそれでも牽制にはなるから、その隙に次の攻撃に移るんだ。ちゃんと詠唱すればしっかりした魔法も打てるぞ?」


ロウ「中々面白い発想じゃの。魔法使いの型にはまらんというわけじゃな。威力を削ってスピード重視というわけか。わしにも後でいくつか教えてもらってもよいかの?」


ロウは感心した様子で興味ありげに聞いてきた


ラース「構わないぜ。そろそろキャンプ場が見えてくるはずだ。急ぎでなければ、今日のところはそこで休むか。この状態で無理は禁物だからな」


マルティナ「私達も急ぎの旅ではないからそれで大丈夫よ」


ラース「じゃあもう少しだな......!この先に魔物がいるな。マルティナ、降りてくれるか?」


ラースはこの先に広がる草原に魔物の気配を感知した


マルティナ「わかったわ。気をつけてね」


その夜、テント内


マルティナ「ゴホッゴホッ....」


マルティナはつらそうな顔で横になっており、咳も出始めた


ロウ「また悪化してきたようじゃな。何か食べたいものはあるかの?」


マルティナ「すみません、ロウ様。あまり食欲がわかないです」


声も少し枯れたような声に変化している


ロウ「なに、謝ることなどない....じゃが何か食べておいた方がよい。待っておれ、ラースに少し聞いてこよう」


キャンプ場


ラース「お、じいさん、マルティナはどうだった?何か食べれそうだったか?」


ロウ「いや、体調がまた悪化したみたいでのう。食欲がわかないそうじゃ。じゃが、何か食べさせねばならんからのう。よい食材はあるかの?」


ラース「ふむ、そうだな......。お、そういえばまだあれがあったはず....」ゴソゴソ


ラースは自分の道具袋を漁り、何かを探し始めた


ロウ「(この男、随分と面倒見がよいのう。よい人に助けられたものじゃ。感謝せねばな)」
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