一章 出会いと告白

□五 決意
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ガラッシュの村 広場


ラース「よかった。ちゃんと来てくれたな」


ラースは昨夜と同じ場所で待っており、やってきたイレブン達に安心したようにしている


ロウ「ラースよ。本当に戦わなければならないのかのう」


ラース「ああ。これは俺に残された大事な使命だからな。だから、俺は本気でいくぞ」


マルティナ「.....わかったわ。私達も本気でいくわ」


ラース「ああ。それじゃあ行くぞ!」


ラースがあらわれた


カミュ「情けはかけねえからな!」


カミュは自慢の素早さを活かして、ラースに走り込んでいく


ラース「ソードガード!ビッグシールド!」


ラースは武器ガード率、盾ガード率をあげ攻撃に備えを取った


カミュ「ヴァイパーファング!」


カミュは正面から攻撃する


ラース「そんなのが効くと思うな!」


ラースは盾で防ごうとする


カミュ「へっ、かかったな!」


カミュはラースと盾の間に足を割り込ませ、滑るようにラースの目の前に回り込んだ


ラース「!?」


カミュ「おらよ!」


ザクッ!


カミュの毒を纏わせた短剣がラースの腹に突き刺さった


しかし、ラースもカミュを蹴飛ばそうとする


カミュ「よっと!」


カミュは身軽にその足の勢いを足場に後方へ下がった


ラース「ちっ!毒か!」


ラースは毒に侵され、少し苦しそうにしている


マルティナ「しんくうげり!」


その隙にマルティナもラースと距離を詰めており、横に待ち構え蹴りを繰り出す


ラース「見えてるぜ!」


ラースは他に向かってくるイレブン達を見たまま片腕で防いだ


バシッ!


マルティナ「くっ!」


イレブン「かえん斬り!」


マルティナが下がり、イレブンが交代するように炎を纏わせた剣で斬りかかる


ラース「その程度か?」


ガン!


ラースは盾を構え、イレブンの攻撃も防いだ


ラース「シールドアタック!」


ガツン!


ラースは防いだ瞬間、イレブンに向かって突撃する


イレブン「ガハ!」


イレブンは反応出来ず直撃し押し戻される


セーニャ「カミュ様!スカラ!」


一番離れているセーニャは呪文を詠唱しており、カミュに緑の魔法陣を描くと、カミュの服や皮膚の硬さを硬化させる


カミュ「ありがとな。だが、ダメージがあまり通らねえな」


ラース「イオラ!」


ラースはスカラがかかる時間に呪文を唱えており、イレブン達全体にオレンジ色の魔法陣が浮かび上がり、光ると同時に強い爆発が巻き起こる


ドォォン!


全員「くっ!」


爆発による煙も発生し、イレブン達の視界も少しぼやけ始める


ラース「ヒャダルコ!」


ラースは休まず呪文を唱えており、イレブン達全体に今度は水色の魔法陣が浮かび上がり、氷の刃が降り注ぐ


パリィン!


セーニャ「!魔法の発生が早いですわ!」


セーニャは呪文の詠唱速度に驚いている


マルティナ「やはり厄介ね!ここは私が!」


マルティナはラースに再び向かっていく


マルティナ「はああああ!」


バババババッ!


マルティナは足技を連続でラースに繰り出していく


ラース「突撃か?かくとう技なら効かないぞ!」


ラースはマルティナの攻撃を全て躱したり、防いでいく


マルティナ「まだまだいくわよ!てやぁぁ!」


マルティナも負けじとより一層ラースの隙を見つけるように蹴りを繰り出していく


ラース「流石マルティナ、中々やるな」


そこにラースが少し足をよろめかせた


マルティナ「ここ!」


マルティナはその隙を逃がさんとばかりに蹴りを繰り出す


ビュンッ!


マルティナ「!?」


ラース「残念、予想通り」


ラースの見せた隙は誘導であり、流れるように後方に回転しマルティナの蹴りを避けた


そのままラースが足を振り上げる


マルティナ「くっ!」


バシィッ!


マルティナもギリギリで腕でガードするが、威力で僅かにのけぞった


ラース「せいけん突き!」


今度はラースがその隙を逃がさず拳をマルティナに勢いよく繰り出す


バキィッ!


マルティナ「キャアッ!」


マルティナは流石に避けきれずに吹き飛ばされる


イレブン「マルティナ!かえん斬り!」


イレブンがこれ以上マルティナを攻撃されないように前に出て、ラースに炎を纏った剣で斬りかかる


ラース「くっ!」


ガン!


ラースは武器で防いだ後、後ろに下がった


セーニャ「マルティナ様、ベホイミですわ」


セーニャがマルティナに緑色の魔法陣を描き、マルティナに治癒の力がかかっていく。その治癒の力によりマルティナの傷が瞬時に治っていく


マルティナ「ありがとう、セーニャ。完全に罠だったわ」


イレブン「マルティナ、かくとう技では不利かもしれない。ベロニカとかわろう!」


マルティナ「わかったわ。ごめんなさい、みんな。ベロニカ、後はよろしく」


ベロニカ「任せて、マルティナさん!」


マルティナは遠くで見守っていたベロニカとバトンタッチをして、戦線から少し離脱した


カミュ「イレブン!闇雲に突っ込んでも厳しい!連携をとるぞ!」


イレブン「うん、そうだね!カミュ!あれ、やるよ!」


カミュ「おう!」


イレブンはカミュとアイコンタクトを取った後、イレブンがラースに向かって走っていく


ラース「!突撃か!」


イレブン「はあ!」


ガン!


ラースはイレブンの斬り上げを盾で防いだ


ラース「!?いやしまった!後ろにも!」


その後ろにはいつのまにかカミュもきていた


二人「シャドウアタック!」


ザシュッ!


二人の息のあった前後同時攻撃により、ラースは腕と胴体に深い切り傷がつく


ラース「くっっ!」


ラースが痛みで顔をしかめる


イレブンとカミュは反撃がこない内に後方へ下がる


ベロニカ「セーニャ!やるわよ!」


セーニャ「はい!お姉様!」


その隙にベロニカが魔導書を広げ、セーニャが竪琴を奏で、同時に魔力を込めるとイレブン達全体に虹の輪が広がる


二人「ラムダの祈り」


二人のポーズはまさにラムダの紋章そのものであり、その加護を授かるように全員の体力が少し回復して、徐々にHPとMPが回復するようになった


イレブン「デイン!」


ラースの足下に黄色の魔法陣が描かれ、その瞬間雷が降りラースの体を貫く


ラース「(雷か!)くっ!」


突然現れた雷にラースは反応できずに直撃する


セーニャ「イレブン様!スカラです」


セーニャはイレブンに緑の魔法陣を描き、イレブンの服や皮膚の硬さを硬化させる


イレブン「ありがとう、セーニャ」


ラース「へっ!その連携、見事なものだな!だが、俺だって負けてられねえ!はあああ!!」


ラースは力を込めて雄々しい叫び声をあげた。その顔は目が見開かれ気迫に満ち満ちており、村全体がビリビリとした感覚に包まれる


全員「ゾーン!?」


イレブン達はラースの迫力に圧倒されそうになる。
ラースは極限の集中状態に入り込んだようで、青いオーラを纏っている


ラース「イオラ!」


ラースは瞬時に呪文を唱え、再びイレブン達全体にオレンジ色の魔法陣が描かれ、先程よりも強力な爆発がイレブン達を襲う


ドガァァン!!


全員「うわああ!!/キャアアッ!」


より強い爆発により、煙も多くあがっている


ラース「マヌーサ」


ラースはその爆発の煙が止まぬ中、カミュに緑色の魔法陣を描き、カミュの目に幻の力を付与させた


カミュ「くっ!すまねえ!見えなくなっちまった!」


カミュの視界は真っ暗になり、ふらふらしている


イレブン「わかった。カミュ、おじいちゃんと交代して!」


ロウ「カミュよ、こっちじゃ」


ロウがカミュの手を引っ張り、戦線を離れさせる


カミュ「じいさん、すまねえ。バトンタッチだ」


ロウ「魔法で攻めた方がいいのう」


イレブン「うん、そうだと思う!セーニャ、おじいちゃん!回復は後回し!魔法で攻めよう!デイン!」


イレブンは全員に指示を出しながら、ラースの足下に黄色の魔法陣を描き、雷を落とした


ガンッ!


ラース「2度も喰らわないぞ!」


ラースもわかっていたらしく、盾で雷を防ぎきった


ベロニカ「なら、連続はどうかしら!?メラミ!」


ベロニカが既に赤い魔法陣を自身の目の前に描いており、横から炎の塊をラースにぶつける


ラース「くっ!」


これにはラースも反応出来ず、魔法に直撃する


炎は中々の威力をしており、ラースの服を燃やし一部を黒く焦げさせている


セーニャ「バギマ!」


セーニャも回復の呪文を唱えるのを中止して、黄緑色の魔法陣をラースの周囲に描き、竜巻を発生させた


ラース「!!きついな」


吹き荒れる風の刃には対応できず、ラースは連続で被弾し、服や皮膚が切り裂かれる


ロウ「ドルクマ!」


ロウも続け様にラースが被弾している隙に足下に黒い魔法陣を描き、闇の塊を爆発させた


ガンッ!


ラース「ギリギリ!」


ラースはこれ以上はまずいと判断し、なんとか盾でガードする


ラース「ふ!」


セーニャ「!」


ラースはガードしたと同時にセーニャ目掛けて素早く距離を詰める


ラース「ミラクルソード!」


ラースは癒しの力を込めた剣で斬りかかった


ズバッ!


セーニャ「キャッ!」


セーニャは剣を避けられず、体を斬られ少し吹き飛ばされる。ラースは剣の癒しの力により、ついていた切り傷が少し塞がった


ラース「ヒャダルコ!」


ラースは追撃をやめず、イレブン達全体に水色の魔法陣を描き、イレブン達に先程よりも多くの氷の刃が降り注ぐ


その威力も強力で、氷による冷気が周囲を包んだ


パリィン!パリィン!


セーニャ「すみ....ません」ドサ


セーニャは倒れたまま追撃に直撃し、動けなくなってしまった


イレブン「セーニャ!」
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