蝶屋敷短編
□開花までもう少し
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海麗side
し「あら、海麗さん。こんにちは。今日はどうされました?」
『こんにちは。ちょっと任務で怪我しちゃってね、しのぶに診てもらおうかと思って。お願いできる?』
し「えぇ、大丈夫ですよ。では、こちらに掛けてください。」
私は任務で負った傷の治療の為、
蝶屋敷を訪れた。
一応、氷柱の階級を賜っている。
し「それにしても、海麗さんが怪我をするなんて珍しいですね。」
『ちょっと特殊な血鬼術を使う鬼でね、戦い方を練るのに時間食っちゃって。』
あははと笑うと、しのぶは笑い事じゃありませんよと呆れている。
テキパキと包帯を巻いて、治療が終わる。
『そうだ、今日はカナヲいる?』
し「えぇ、いますよ。恐らく、庭か訓練場にいると思います。はい、終わりました。あまり無理に動かさないようにしてくださいね。」
『ありがとう!じゃあ、ちょっと探してみるね!』
お、いたいた。
訓練場を覗くと、
カナヲは反射訓練の真っ最中。
邪魔しないように入り、
アオイに声を掛ける。
『みんな頑張ってるねぇ。』
ア「ぅわっ、氷柱様!?」
『あ、ごめんね。驚かすつもりはなかったんだ。あと、その氷柱様って堅いから海麗でいいって。』
ア「す、すみません。海麗様は…『様も嫌だ。』っ、海麗さんは今日はどうして?」
『ちょっと任務で怪我しちゃってね。で、しのぶに治療してもらって終わったからみんなの様子を見に来たんだよ。』
それにしても、みんなカナヲにボロ負けだな…可哀想になるレベルで。
ピピィー!!
ア「そこまで!!今日の訓練は以上になります!!」
「「「お、お疲れ様でした…」」」
次々に床に倒れていく。
みんな全集中の呼吸が乱れてるなぁ。
全集中・常中が出来てないとカナヲには勝てないだろうなぁ…。
『カナヲ、お疲れ様!』
声を掛けても、いつもと同じ表情で微笑みながらペコリとお辞儀をされカナヲは訓練場を出て行く。
ア「す、すみません!カナヲが失礼な態度を!」
『あはは、気にしてないよ。いや、違う意味では気にしてるけど(笑)』
そう言って、
アオイの頭をぽんぽんと撫でる。
『じゃ、ちょっとカナヲと話してくるわ。』