護廷十三隊短編
□乱れる菊
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怜羅side
冬「松本ぉぉぉぉ!!!!」
執務室、いや隊舎に響き渡る怒鳴り声。
その声の主は、この十番隊を率いる日番谷冬獅郎。
またか…と溜め息をついて扉を開ける。
『失礼します、日番谷隊長。
また…のようですね…;』
冬「如月か…ったく、松本の奴いつもいつも何処にいやがる。」
『呼びましょうか?』
冬「出来るのか…!?」
苦笑いしながら頷く。
あんまり、こういうことはしたくはないけど、隊長も困ってるし仕方ないよね。
すぅ…と息を吸うと、窓を開け少しだけ大きめの声で叫ぶ。
『あーあ、今日はせっかく松本副隊長をご飯にお誘いしようと思ってたのにな〜!!仕事終わらないんじゃ無理だろうし、伊勢副隊長と2人でご飯にでも行こうかな〜!!』
シーーン…
冬「おい…本当にこんなんであいつが来るn…「怜羅!!!!」松本ぉぉぉぉ!!!!」
勢いよく執務室の扉をバンッと開け、隊長の怒鳴り声なんて気にする様子もなく、松本副隊長が真っ先に抱き着いてきたので私も背中に腕を回す。
乱「七緒と2人でご飯なんて絶対ダメよ!!そんなの許さないわ!!」
『松本副隊長、捕まえましたよ。隊長、これで良いですか?』
冬「あ、あぁ…。(本当に来やがった)」
乱「しまった!卑怯よ、嘘をつくなんて!」
腕の中でジタバタと暴れる
松本副隊長に苦笑いする。
『嘘じゃないですよ。ご飯にお誘いしようとしていたのは本当です。だから、仕事終わらせて私と飲みに行きませんか?』
ぽんぽんと頭を撫でると、
口を尖らせる。
乱「仕方ないわねぇ…。そうだ!なら怜羅もここで仕事しなさいよ!」
『え、いや、でも…。』
乱「いいですよね、隊長!」
冬「俺はお前がサボらねぇなら別に構わねぇよ。如月、見張りも兼ねてここで仕事してくれるか?」
『わかりました。では、ちょっと書類を取ってきますので。松本副隊長、離してもらえますか?』
乱「んもぅ。」
松本副隊長は渋々離れると自分の机の前に座る、どうやら本当に書類をやるみたいだ。
『頑張ったらご褒美あげるので、
ちゃんと終わらせましょうね。』
ニコッと笑いかけて、
自分の書類を取りに行く。