銀魂文

□水色(近土)
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雨がやんで、トシが帰ってきた。
ずぶ濡れで驚くほど冷え切った体で、顔は仏頂面。
「畜生、総悟、斬ってやる…」
「どうした?」
「これ見ろよ!」
そう言って見せられた傘。
見事に穴を開けられている。
悪質で面白いテロだと、そう思って近藤は笑ってしまった。
「笑うな!」
「あははは、悪い悪い」
「全く、アンタもアンタで…ちくしょ…」

その後くしゃみが続く。

どうやら風邪を引きかけているらしい。
それが見て取れて、近藤は自分の持ってきたタオルを目にした。
無意識下で掴んできたようだ。
土方が濡れていると思って。

近藤はそれから目を離して、土方の頭にそれをかけた。
そのままぐしゃぐしゃと彼の頭を拭き出す。

土方はといえば、力任せなその行為に抵抗を始めた。

「ばっ…いたたた、痛いっ!!!こら離せ」
「しっかり拭けよ」
「あ…ったく…あ〜あ頭ぐちゃぐちゃ…」
タオルを取ったとき、近藤の姿は目の前に無かった。
それを見て、土方はぼんやりと頭を掻いた。
「…もうちょっと、いてもいいじゃん、あのやろ」

そう言ってタオルを見る。
それは、いつも近藤が使っているタオルだ。
稽古の後とか。
自分が、投げたり、直接手で渡しているタオル。

土方はそれを暫らく見つめた後、また頭に被った。

とりあえず着替えるか。
くしゃみを数回しつつ、靴下を脱いで歩いて、部屋に入る。

水分で張り付く服を何とか脱いで、自分の頭のタオルで体を拭こうとして急いで止める。
「あぶねえ……うわ、危なかった…」

頭はいいが、体はちょっと。
後で洗って返すにしても。
そう思って苦笑いすると、自分のタオルを箪笥から引き出した。
「…風呂入ろうかなあ」
そこまではいいか、と思いつつも、私服に着替えた土方は近藤のタオルをまた手に取った。
「…洗って返さなきゃ」
そう言って、手にもったまま、土方はそれを首に巻いた。
洗ったのに。
ちょっとだけ、彼の匂いがする。
爽やかな香りだ。
自分が使えといって無理矢理使わせている香水。
自分が好きな匂い。
ちょっとしかつけないから、あまり匂わない。
そんなあの、香り。

「やべ〜駄目だ、これ欲しい」
ぼんやりと呟いて、土方は笑って自室から出る。
そのまま、近藤の部屋に行く道すがら、微笑みが漏れる。


どうすっかな。


この前のマフラーと取り換えで貰っちゃおうか。


よし、決めたぞ。



「近藤さ〜ん」


今日の俺のラッキーカラーはこれなんですよ。
だから強奪しますよ〜。
薄い水色のタオル。



END


短いだろ!
ほら、どうだ相方どうだ!!!私だって短いのかけるもん!

なんて、土銀も雨なんで、これも雨。
だから、私は近藤←土方が好きなんだってば。
片想いですよ。
片想い。
はははははは、片想い!!!
そろそろ裏書こうか(笑)

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