銀魂文

□怯えるな(土銀)
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「…大丈夫だって、つか、本当に怖がりね、お前は」
「てめーに言われてたまるか…銀時さんよ」
「はあ〜い?」
「…結構、辛いんだなああいうの」

結局沖田が思い切り叩いたら元に戻ったらしい。
記憶が戻ってすぐ、真選組隊士全員に思いっきり怒鳴られて、近藤半泣き?
怒鳴り具合が愛の証。
全く、面白い集団だよな。
しかし。
土方は、何も言わなかったそうな。
ショックが、大きかったんだろうね。
お前が、一番、本当、面白い。


何も答えずにいる銀時に土方がその頭を撫でる。
ソファに身体を預けて、ぼんやりと語り合っている事に今更気付く。
夜に向けてもう沈みかけている紅い太陽に、銀時はぼんやり目を向けた。
「銀時、死ぬのも、忘れるのも、無しな」
「…お前もな、お前が一番危ないって」
「…ん〜…だな」

土方が、手を延ばす。
少しだけ開いていた窓の前にある日よけの障子が全て開いて部屋が赤く染まった。

荘厳雄大な、美しい太陽の神秘。

「見事」
「ああ、綺麗だ」
「あ、お前、髪が赤いぞ」
「銀時ならぬ、赤時」
「無理無理、無理あるぞ」
「そう?」
挑発的に細められた目。


赤い髪もまた、似合っているかも、面白いかも。
白を吸収した赤が鮮やかに彼を彩る。
その頬に手を置いて撫でた後、土方は窓越しの空に手を延ばした。
太陽の光が、指をすり抜けてくる。
この紅さ。

ああ、これは血が通っている証拠。

自分は生きている。
そして、目の前の愛しい笑顔も生きている。



「なあ、お前、もう誰にも会えないと思ったら、そのとき、誰を一番最初に思い出す?会いたくなる?」
「…多分」


口を次に開く時。

少し怯えを帯びた目が、自分を射抜く。


俺の言動なんかに怯えるな。
アンタは自身を持てよ。

じゃなきゃ、俺、アンタに惚れない。



て。




もう、そんなの関係なく惚れているよ。


土方。


「お前かな?」

唇が塞がれる刹那、銀時は小さくそういった。
土方が驚いて目を見開いた後、幸せそうに目を細めた。


「怯えなくてもいいよ、お前はもう、この魂に深く刻まれてる」



どんなに、奥底に放り投げられて忘れたとしても。


魂が引き合って。

絶対アンタに会いたいと焦がれるから。

だから俺、アンタの元に帰る。


絶対。



End




というものを突発的に書くな私。
ああ、なんか萌えるなあこういう話も。
記憶喪失ってシビアだよね良く考えると。
恋人同士なんか耐えられない。
土方さんあたりだと。近藤さんに心酔しているから耐えられないダブルパンチってやつね。
可哀想。
でも、面白い。
さてと、土銀時万歳(黙れ)
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