銀魂文

□天―七夕@(沖+神)
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☆☆☆
「笹とか、そうだね、飾ってみれば良かったなあ…」
「笹?!」
「そう、笹に、色々飾りをつけたりするんだ、短冊には願い事…」
「やりたいやりたいやりたい!!!」
「…おいおい、笹なんて……ん〜じゃ、切って来るか」
「どこからですか、どこから」
「丁度ね、真選組屯所で見つけたのよね、笹林」
「…アンタね…」


人の土地の竹林伐採。
会話の中身で、それが出る。
神楽は楽しそうに行くといって立ち上がる。


彼女が言い出したら止まらない。


というよりも、彼女が楽しそうならそれでも良かった。


「…さてと、一石二鳥だな、新ちゃん!」
「僕に振らないで下さい」
と、言いつつ、なんとなく二人は笑ったのだった。

☆☆☆
「な、なんですかィ?雁首揃えて」
「笹の葉をサラサラっと戴きに参りました」
「すいません、忙しいところ…」
「そこ退くネ、邪魔ヨ」
「なんでお前のために退かなきゃならないんでィ!」
出迎えたのは珍しく沖田だった。
しかし、毒吐いた神楽と目を合わせて、いつもの喧嘩を始める。
その小競り合いを聞きつけて次に現れたのは近藤だった。
「おいおい、やめろやめろ、お前らが暴れたら門が壊れる」
「煩いネ!ゴリラ、黙…きゃあ」
「近藤さん、うわっ…」
二人一気に持ち上げて、強制的に喧嘩を終了させると、近藤は笑いながら銀時と新八に入るように合図する。
「…よし行くぞ〜!!!」
「お、下ろしてくださいよ恥ずかしいでさぁ!!!」
「きゃはははは、もっと高いとこ上る〜!!!」
「いででで、よじ登るな」
そのまま肩に乗っかって、神楽が御満悦の顔になる。
「高いアル〜!!!流石はゴリラアル」
「…ったく…」
沖田を下ろして、近藤は神楽の足を落ちないように掴んでから、苦笑いを作る。
「よ〜し、しっかり掴まってろ〜走るぞ〜!!!」
「マジでか!!!」


楽しそうな女の子の高い笑い声が響き渡る。
その声で、ようやく副長が重い腰を上げたようだった。
戸が開いて銀時はそこに目を向ける。
銀時の存在に気付く前に土方は大声をあげた。

「うるせーな屯所に餓鬼つれてくんなっつったろ!!!……近藤さん?!あれ?」

「きゃはー!!!もっともっと走るアル〜!!!」
「おっしゃ!ゴリラターボ発動!!!」
「ぎゃー!!!」

目を丸くしている土方が少女の保護者を思い浮かべてそこから目を移す。
そして、目が合った青年に、眉を寄せた。
「なんだぁ?何しに来た万事屋」
「あ〜?何って〜いたいけな少女の願いで笹を奪いに来たんですよ」
「…笹?」
そう言って屯所の近くの笹の林を思い浮かべて、ああ、と言った土方に銀時は近づく。
「多串君…もが」
「土方君でお願い」
土方が間髪入れずに手で頬を挟んでそう言う。
銀時は挟んだままの彼の手を押さえて頷くと、神楽を見た。






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