銀魂文

□パフェ日和(近+銀+土)
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「…あ」

そういえば、余り外に友達っていないかも。
真選組の仲間とか、そういうのじゃない友達。
近藤はそう思って嬉しくなってしまって手を叩いた。
「銀時、お前、もう俺の友達だよなっ」
「へ〜?」
満面の笑顔で言われて、銀時はスプーンを咥えたまま頭を掻いた。

何をいきなりそんなことを。
友達って。
友達って何それ。

銀時は少し困惑気味で顔を上げる。
しかし近藤は気にすることもなく更に輝いた笑顔で答えを迫る。
「な?」
「多分ね、多串君が卒倒すると思う…けど、いいよ」


友達ねえ。
なんか、甘いね、そういうの。
しかし、いいかもしれないね。


いつしかそういうのを忘れていた自分には。


「友達っても奢らせまくりですけどね、多分」
「期待しちゃいねぇよ」
「あ〜そう」
「決まりだ決まり」
「…」


少年の心を忘れずにいること。



実は、倍、大人でありながら。



“銀時、お前、もう俺の友達だよな”



って素で言うか?
素で聞くことか?
恥ずかしい奴だな本当に。



ああ、お前って、ムカつくわ。



「…イチゴパフェ一つ〜」
「おわっ食べ過ぎるなっ週一なんだろ?!」
「やだー銀さん食べる〜!!!」
「あ〜も〜しゃーねーな!!!」

店員が苦笑いを浮かべる中。
大の男がパフェのことで喧嘩をする。

長い長い長い明細書。
よくも食べたものだと思いつつ。
それを隠したつもりが。
目敏い土方に見つかって、こっぴどく怒られる近藤。



なんか、昼に帰らなかったことは怒られなかったのに。

何でこれで怒られてんだろ。



苦笑いした近藤が土方にゲンコツをくらう。


「お母さんごめんなさい」
「誰がお母さんか!!!」
「浮気した旦那を妻が叱る図…」
「「!!!」」
という言葉と共に、小気味良いシャッター音が鳴る。
デジカメ片手に口に少しの笑いを作る沖田は満足そうに画面を見ている。

土下座した旦那。
腕組みの妻。



その後。



総悟ぉぉおお!!!



という二つの叫びが重なるのは言うまでもない。






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