捧げ物

□砂糖の様に苦く甘い二人
1ページ/7ページ

「ねぇ多串くん、ヤらせてvV」


恋人である土方に会うため、真選組の屯所に不法進入しちゃいました!
勿論、仕事中で自室で一人っきりなのを狙って


「あ…れ?」
「何か用ですか?坂田さん。ここは関係者以外立入禁止なんですけど」


恐いぐらいニッコリ笑って笑顔を俺に向ける土方
その隣には年老いた天人
土方の隊服は微かに乱れていて…


「邪魔が入って興が逸れた…副長殿、良い返事を期待してますぞ」
「外までお送り…」
「十四郎…」


俺を無視していこうとする土方に流石にキレた
普段は呼ばないような名前、声、雰囲気で怒りを表す


「っ…山崎ーっお客様を外まで送れ!」


俺にビビッたのか、近くでミントンをしていたジミィくんに命令すると、天人に「仕事があるので」と言って一礼して部屋に戻った
俺は当たり前の様に部屋の中心に座っている


「アイツ、何?」
「何って…」


言葉を濁す土方
何をしてたんでしょうね…
モノによっちゃ許せねぇ


じっと見ているとバツが悪そうに目を泳がせている


「あぁ、身売り?真選組のためにさ。銀さん絶望したなぁ」
「違っ…」
「違うって何が?何してたか言えないくせに」


泣きそうな顔してもダメ
俺以外に触れられたら浮気と同じだよ…真選組のためでもね

醜い嫉妬だって事は十分承知
しかたないでしょ?
本気で惚れて、愛して…俺だけのモノにしたいんだから


「身売り…は…して…ない…」
「本当かなぁ?そんなどもりながら言われてもね」
「嘘じゃねぇ…」


あぁ…本当に泣きそう
その顔がクるなんて変態?
でも、本当可愛いんだよ
俺にしか見せない表情を見せてくれる時って


「信じて…くれないのか?」
「んー…だって多串くんの愛がわかんないもん」


正確にはわかり『にくい』だけど


「どうしたら信じてくれるんだよ…」
「そうだね…今から少しの間俺に逆らわなかったら信じてあげる」
「わかった」


本当は何されそうになってたか言ってくれたらいいだけなんだけど…
こんな美味しいチャンス逃す手はないっしょ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ