捧げ物

□唯一の…
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「おい、“アレン”」
「神田…」


彼が僕の名を正しく呼ぶ
ソレはこれから起こる出来事の前触れ、前兆、決まり事
僕はわかっていてソレに乗る
一度ハマッてしまった物からは抜け出せないから…
それが神の使い(エクソシスト)だろうと悪魔(ノア)だろうと…
決して僕には抜け出せない甘い罠…




―――――……
「おいモヤシ、これくらいで意識飛ばすな」


乱暴に身体を上下に揺すられ、僕は手放しかけた意識を取り戻した


「神…田…」
「ったく…これだからモヤシは…」


そうだ…僕は神田とシていたんだ…
どれくらい前か忘れたけど、以前、神田に無理矢理されたこの行為に僕はハマッてしまった
最初は憎んだ…それでも逆らえずに身体を何度も差し出した
神田から解放されて暫くし、身体の異変に気付いた
神田に従順な身体に躾られていた事を
そして、神田の罠にわざと嵌まるようになった
自分から喜んで


神田は僕が意識を手放す事を嫌う
だから、今もその罰として酷い…と思われるような事をしてきた。僕にとってはもう苦痛ではない


「最中は俺を…俺だけを見ろ。そして憎め」


憎む?
もうそんな事はできませんよ
僕はもう貴方の従順な性奴隷かペット


僕は気付きました
僕は神田が好きだという事
僕は神田になら全てを差し出せる
僕は神田を…愛してる


だから…神田が僕を愛してくれるまで罠にかかり続けます
それが、僕が神田に許された唯一の愛情表現だから…
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