禁忌とされた武具
□刀
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呪剣・死桜の枝
刀匠、村正が打ったとされる一振り。
刀を打つ際に、とある墓地周辺に群生していた、桜の木が薪として使用された。
その桜は、埋葬された人を養分にして命を繋ぎ、毎年花を咲かせていた。
曰く付きの、桜。
刀匠はそれを知っていた。その上で、刀に命を吹き込んだ。
案の定、他の刀の追随を許さない程に美しく、鋭く、
不可解な現象を引き起こす、一振りとなった。
一度振れば、刀身が赤い光を帯び、剣筋に残像が残った。
人を斬る度に、その赤さと斬れ味を増した。
しかし、刀を振った者は、いずれも干からびて死んだともいわれる。
また、その様から、「紅魔の月」「幻魔刀」「血散羅刹」とも呼ばれた事もあった。
その刀は未だ世に蔓延り、人知れず血を啜り続けているというが、定かではない。