読み物
□側にある幸せを
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「37.8℃、まだまだ高いね。ゆっくり寝ていなさい。ほら、欲しいものはある?昨日譲が持ってきてくれたバニラのアイスがあるよ」
「―――…すみ…ません…貴方は気にせず仕事へ…っゴホ…」
「ほら、無理に話さなくていい。今日は休みだから、側にいるから眠りなさい。いいね?」
意識が途切れそうになる。よりにもよって…今日、こんなことになるなんて…。
今日は翡翠の誕生日だから
たまには一日付き合ってやろうなんて
そんな風に思っていたのに…―――
「―――…すい…
た、ん……びな…に
す…ま、せん…」
幸鷹が何に対して済まないと言っているのかがわからない
『たん……び』
何の日だというのか
こんなに熱があるというのに何を気にしているのか
具合いが悪いときは心細くなるものだ、と言っていたから
そんな様子は見せないけれど
幸鷹は人一倍意地っ張りだからね
安心して休みなさい
私は君の側にいるから
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