読み物

□色彩
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無音の空間で一人

貴方の帰りを待つ時間

それは時々

自分が

たった一人

取り残されたかのような

錯覚を引き起こす



彼がもう

此処に

戻らないのではないかと

そんな事を思ってしまう


誰もいない部屋

一人ソファーに座り

貴方を待つ時間

知らず携帯を握り締め

耳をそばだてて

貴方の気配を

必死で感じ取ろうとする



そうして待つうち

大概眠ってしまうのだけれど



目を覚ますとそこは

もう

音のない世界ではなく

貴方のいる

暖かな場所



灯りもつけずにどうしたの

そんなところで寝てると風邪を引くよ


そんな声を聞く事が

幸せだと思う

二人でいる空間

そこは

色と音に溢れる

とても穏やかな場所



彼がいなければ

音など意味はなくて

彼がいなければ

世界が色褪せてしまう

そんなことを思う度

何よりも

誰より

彼が必要なんだと

思い知らされている

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