読み物

□隠した気持ち
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好きだなんて言葉をいったことはなかった
私はいつも言われるだけで
それを信じていない訳ではないのに
素直になることが出来ない

本当は誰より伝えたい言葉なのに言えない
それなのに貴方はいつも簡単に口にする

私はまだ貴方に何も言えないでいるのに
貴方の言葉でこんなにも心が安らいでいるというのに
貴方が此処にいてくれるということがこんなにも私を支えてくれているのに

私は何も返してはいない
返せぬままでいます
このように時空を越えても側にいてくれるのに
私は何一つ変われずに
貴方を縛るだけ…――――――


何かに囚われることをあんなにも厭っていたのに
貴方はどうして側にいてくれるのですか?

伝えたいとは思っているのです
問うてみたいと思うのです
ただ…何と言ったらいいのか解らない
何と言ったら貴方に伝わりますか?

信じていない訳ではない
ましてや嫌いなのではなくて…―――


一度だけ感謝していると言う事は伝えた事があります
その時の貴方の反応があまりに解りやすくて

だからもう一度でいいから
貴方の驚いた顔を見たいのです
でも…この気持ちを表現できなくて

たった一言、言の葉にのせたなら
貴方はそこから理解してくれるのでしょうか
試してみましょうか…――――――
「翡翠―――――――――………     。」

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