読み物U

□伸ばした手
1ページ/3ページ

もう二度と交わることなどないと思っていた道


微かな接点さえも断ち切ってしまおうとあんなにも足掻いていたのに


ふと視界を掠めた見慣れた姿を


気付いたら必死に追いかけて




「ひすいっ!!」



ようやく追いつき


腕を掴む




「―――…ゆき…?」



懐かしい声と共に


驚いたように私を見る翠の瞳




「すみません、つい…声をかけてしまいました
忘れて下さい…私が浅はかでした」



手を離し立ち去ろうと踵を返す










.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ