過去拍手
□Good Morning Call
1ページ/1ページ
Good Morning Call
ーし〜の。おはよう。もう起きないと、朝礼に遅刻しちゃうよ。
寝起きの良い恋人が、自分の名前を呼んでいるのが聞こえる。
分かっているけれど、もうちょっと眠っていたくて、布団にぎゅっと顔を埋めた。
ーん……。
ーもう…しの。
珍しく困ったような声に、ちょっと興味を惹かれて、薄く目を開けてみる。でも光がまぶしくて、思わず目をつぶって理舞う。
ー………まったく………ほら。
ーんっ…や…。
首筋に、詰めたくって大きな手が触れ、思わず首をすくめる。突然の感覚に全身に鳥肌がたつ。でも、さらさらと髪の毛をさわる手の感触が気持ちいい。もっとさわって欲しい。そう思って、目を開いた。
ーた……つみ…さん?
ーうん、しの、起きた?おはよう。
まだパジャマ姿。優しい声。優しいまなざし。
仕事中とも、二人で抱き合うときとも違う。きらきらと…朝陽みたいな。
ーおはよ…ございます。
その姿に吸いこまれるように、手を伸ばすと、起き上がらせようと巽さんの腕が首に回された。そのまま起き上がらせてもらい、暖かい胸に、顔を埋める。
ー大丈夫?昨日、ちょっと無理させたかな?
昨日…そういえば、二人とも珍しく次の日のことも考えず、我慢のたががはずれてしまった。最近仕事が忙しかったし、嫌な事件ばかりが起きていたから、気持ちがナーバスになっていたのかも知れない。
ーへーきです…よ?
大好きな人の規則正しい鼓動の音。大好きな西脇さんの匂い。
ー今日、仕事でれる?
ーでれます。
ゆっくりゆっくり、背中を優しく撫でてくれる、大きな手。コーヒーの香ばしい匂いに、少しずつ、意識がはっきりしてくる。
あ…そういえば、あいさつし………。
ーおはようございます、巽さん。
軽く触れるだけ。少しだけ、かさついている唇に。自分の名前を優しく呼んでくれる、大好きな場所。
ーあぁ。おはよう、しの。
ーん…っ。
西脇さんから、お返しに深く唇を嚼まれて、ぎゅっと西脇さんのパジャマを握りしめた。
-------------------------------END
御拍手&ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
甘い西橋をめざしましたが………いや…なんか。
イメージは、寝起きの悪い紫乃さんを西脇さんが起こしてあげる、です。でも、紫乃さんって、あんまり寝起き悪すぎたりはしないだろう…と思っているので、二人で過ごした後の朝ってかんじの設定で。
…と思ってみたけど………失敗。無理でした。
ごめんなさい。なんかはずかしいだけでした。。
でも……この後、ちゃんと朝礼でれたんだろうか、二人とも。。。