骸×雲雀(小)



雲雀さんが、10年バズーカに当たった。
だがしかし、そこに現れたのは10年後の姿ではなく、10年前の幼い姿。
どうやら、10年バズーカの故障のようだった。

「ギャーーーーーーー!!雲雀さんがーーー!!!」
取り乱すツナ。そんなツナに対し、ランボは飄々とした態度だ。
「故障してたもんねー」
「アホかーーーー!!!」

などと客観的に見れば阿呆であろう言葉を交わしていると、いつの間にか雲雀さ
んは消えていた。
「あれ、雲雀さん………?」
その間にもリボーンがどこかに連絡を取っていた。
「あぁ、いきなり悪いな。雲雀がそっちにいったから宜しく頼むぞ。」


「いったいなんなの。どうしてぼくがこんなからだに……。」
不満だ。本当なら今すぐに咬み殺してやりたいところだが、この体では何も満足
にできないだろう。
そんなことよりも、今は優先させるべき事があった。
「…………っ、むくろ……」


ケーキはある。今さっき買っておいたものが、ちょうど地面に落ちていた。十年
後に持って行かれなくて良かった。
ケーキの箱を両腕で抱え、向かうは骸の元。アイツの為にここまでするのも癪だ
が、今は構うものか。
だがしかし、現実とは酷なもの。

ドンッ!!!!!!ぐしゃっ…………

子供は小さい。従って視界も狭い。大人にぶつかり、ケーキは道に転がった。誰
一人として気に留める者はいない。何と無力なのだろうか。
瞬間、心の中で何かが音を立てて崩れた。目頭が熱い、視界が滲む。
「っ…………」
こらえていた涙がとめどなく零れた。何が悲しいのかも分からない。只々涙が溢
れ出るばかり。
自分に腹が立った。何一つ満足にできない事が歯痒かった。
カツカツと自分に近づく足音が聞こえる。聞き慣れたその音。
足音が止まった瞬間、すっと抱き上げられた。
「何泣いてるんですか?」
「っむ、くろ………?」
会えて嬉しいのと、恥ずかしいのと怒りと色々ごっちゃになって、訳が分からな
くなった。
ただ、こんな時にだけ優しい彼の首にギュウとしがみついた。プライドなんて関
係ない。
「ちゃんと言わなければ分からないでしょう」
「ふっ……けーき、がぁっ……きみ、のっ…ぷれぜん、とっ…」
ポンポンとあやすように撫でられた頭、暖かい手。
「僕にとって、君に逢えた事が最高のプレゼントですよ。ありがとうございます
、恭弥」
「………っばか。」
「さぁ、泣きやんで下さい」
いつもよりかなり幼い彼を抱えながら優しく髪を梳いた。
もう、きっと元に戻ってしまうのだろう。
その前に、言っておきたい事がある。
「ねぇ…。」
「何ですか?」
「……Buon Compleanno むくろ。」
「……恭弥、それイタリア語……」
「うるさいよ、たまたま本で読んだだけだから!」
骸は自分の頬が緩んでいくのが分かった。こういうのを「幸せ」というのだろう
か。
「ふふっ、そうですか。では、そういうことに。」

その時白煙が立ち上った。

「……おや、もう元に戻りましたか。クフフ、小さい君もなかなか可愛かったで
すよ。」
「うるさいよ。そんな事、「僕」は知らない。………これは今の「僕」からだか
らね。」

誕生日おめでとう。

大切な大切な君の誕生日。いつまでも、傍にいるからずっとずっと祝ってあげる

なんて、口が裂けても言ってあげないけどね。

君が生まれたこの日に、ありったけの感謝と愛を込めて。
Buon Compleanno 骸!!!!!


フリーイラスト




ここまで読んで頂きありがとうございましたv
これでも短くまとめた方です……←
まぁ、文の長さも骸への愛の大きさってことd(ry
それより、これ絶対5分間で収まる出来事じゃねえよ……!!
何はともあれ、誕生日おめでとですむっくーv
ショタむくsideで獲裏奈さんの素敵文が見られますよ!!

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