雲雀+骸(小)

雲雀sid

ここは…どこだろう。
突然暗転し白い煙の中に包まれたと思ったら、視界が開けたソコは自分が見知った世界とは違っていた。
あの草食動物(沢田)を咬み殺そうとしたはずなのに…
ここまで考えて、沢田の近くにいた小さい物体が、前ディーノが言っていた"10年バズーカ"たるものを持っていたのを思い出す。
不覚。どうやら、それにあたってしまったのだろう自分は。
僕がいるのは、おそらく10年前の並盛といったところだ。
ケーキ屋は、最近できたものなのか、今目の前に広がるのは少し広めの空き地。
たしか10年バズーカの効果は5分。すぐに戻れるのだから帰ったら沢田を咬み殺そうと考えをめぐらせ、僕は現代と違った少し変わった風景の中足を進めた。
どうやら、10年という間民家の数に変わりはあるものの、道本来あはあまり変わっていないらしい。
微妙な違和感の道筋で、再ほどから幾度かすれ違う見慣れたブレザーは、僕を見ても何の反応も示さない。
まだ僕を知らないからだ。
何時もは、見回りをしているはずの学ランに特徴的なリーゼントの男子生徒の姿もこの時代には存在しない。
ほぼ知った道を、ただなんとなく学校の方へ向かい歩みを進める。
何気なく角をまがろうとした時、小さな影が突然僕にあたった。

「!!…す、すみません。」

少しよろけながら後ろにたじろぐぶつかってきた少年は、あどけない顔を上げ…

……!?

最近よく見る

変な頭、オットアイ、真ん中わけの前髪、右目の「六」

「六道骸」

僕は明らかに知っている人物の名を上げると、少年は少し目を見ひらいた。
ビンゴだ…。

「ワォ、君に会えるとわね。君…イタリアにいたんじゃなかったのかい?」
目の前に少年は、相変わらず訳もわからないといった(実際分からないと思うが)顔をした。

「僕は、君を知っている…。君…今日誕生日なんでしょう?」

話についていけていない骸(小)を無視して一方的に話す。所有時間は見積もって2分もない。急がなくては…。

「おめでとう…。と言っておくよ。今の君には僕は分からないだろうけど、じきに理解する時がくる。
10年後…。この日から十年後で待ってるよ。僕は他人を祝うなんて初めてだからね。高くつくよ。10年後、おかえし待ってる」

一息にそう言って、頬に触れるだけのキスをした。
唖然と頬を少し染めて見上げてくる骸(小)を最後、また視界が白い煙に包まれた…



〜現代〜

「クフフ…まさか、10年前のアノ方が貴方でしたとわね…」

夜、骸に会うと開口一番に言われた。

「運命…とでも言っておきましょうか?」と嬉しそうに言われたので「馬鹿じゃないの?」ときりすてる。

「手厳しいですね…おや、ところで今の貴方は、今の僕に祝いの言葉は言ってはくれないのですか?」

「今の?」

骸の言い回しが気になり聞き返す。

「クフ、今日の昼間に偶然可愛らしい小さな貴方に出会いましてね。」

「骸…子供に手をだすのは犯罪だよ」

「失礼ですよ。手はだしていません。どうやら小さいアナタの、記憶は今の貴方と同じでしてようなので…10年バズーカの嬉しい誤算ですね」

「ふーん」

よくわからないけど、興味がないので深くは聞かなくて良いだろうと骸の言ったソレを軽く聞き流す。

「で…今の貴方は今の僕に祝いの言葉は言って下さらないのですか?」

「ずにのらないでくれる?僕は他人を祝う主義はないよ」

「知ってます」

僕がつっかえしても、骸は笑ってそう答えた。
そんな顔を見ると是が非でも「おめでとう」なんて言いたくなくて…

「君には、「おめでとう」は言ってやらない。これで十分だ」

と…やけになって僕は、骸に今日だけ僕からのキスをおとした。(もちろん唇に、だ)

「おや、嬉しいですね…。人生2回目の貴方からのキスです。では…お高いお返しをしましょうか?」

「だから、ずにのるなって言ってる…」


言葉に出来ないだけの愛を込めて…


おめでとう、骸


END

関係あるようでないフリイラ
報告任意




ショタがメインなはずなのに、現代骸がでしゃばってしまいました。スミマセン。
長いし萌えない。
そして、どちらかと言うと雲雀さんのが犯罪と思われる件について…
いろいろ突っ込みどころ多いですが…ココまでよんで頂きありがとう御座います。
萌えるショタ雲雀バージョンは、柳さんからどうぞ…


獲裏奈


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