一護受け・その他

□要×一 A
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藍染の部屋に向かう途中の廊下で、久々に見る顔がいた。
「あぁ?なんでてめぇがここにいんだよ」
白い服に身を包んだ獣のような男がいた。
「藍染様のお召しだ」
一護も又、同じ色の服に身を包み、若干死んだような目をして言った。
「あぁん、まぁ良いや。腕も戻ったことだし借りをかえさせてもらうぜ」
井上の力によって、取り戻した腕と力を誇示しつつ近付いてくる。
一護は微動だにせずに、ただ胡乱そうに首を傾げた。
「要」
そう、東仙が一護の目の届かないどこかで見ているはずだ。
もう”さん“づけてば呼べない元恋人が。
一護は現在、藍染によって戦いを禁じられているためにつけられた監視者…。
案の定、背後から霊圧も気配も全ての存在を隠していた東仙が現れた。
「グリムジョー勝手な真似はするなと言っておいたはずだ。この方は藍染様の伴侶となられる御方。」
東仙の言葉に、今更ながら傷ついている自分がいることに苦笑する。
昔は恋人だった男で、今でも愛している男。
自分の恋人を主に売った男。
「知らねえなぁ。俺は借りを返すんだよ」
霊圧を高揚させ、東仙を相手にしたとしても一護に戦いを挑もうとしている。
「プライドなんか捨てれば良い」
一護が洩らした一言が、火に油を注ぐ。
「てめぇ」
今にも斬りかかろうとしている。
けれど一歩を踏み出せないのは、東仙の霊圧に圧されているのだ。
あまり感情が面にでない東仙は、一護と藍染に敵意や攻撃を加えようする者を許せない。意外に激しいものを身の内に隠していることを、一護はしっている。
「せっかく生えた腕が、又なくなるが良いのか」
ちぃっ吐き捨てるようにして、グリムジョーは下がった。
そしてその場に二人は取り残される。
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