一護受け・その他

□拳×一
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買い出しに行く時、さり気なく荷物持ちをしに来てくれる。
料理をしている時、手伝ってくれる。
だけど、視線を全く合わせてくれない人。かなり嫌々手伝ってくれていることがわかる。
それでも手伝ってくれてるのだからとお礼を言っても、あぁとか気にするなしか言わない。
何がしたいのか、よくわからない人…それが俺から見た拳西だった。
平子と話をしていると痛いくらい殺気をぶつけてくるくせに、こちらが見返すとワザとらしい咳をして逃げる。
そんなに俺が信用できないんだろうか。
異物混入したりする気もないし、ここに居たいだけなのに。
誰のために残りたかったのかなんて、きっと気付いていないんだろうな…。
拳西も男だし、俺も男だから。範疇外なのはわかっていたけど…
もう、潮時なんだろうか。
ここにいちゃいけないんだろうか。

「平子…俺、ここを出るわ」
仮面の軍勢の仲間になってから、一度も見たことのないような顔で睨まれる。
「なんでや」
理由なんてない、力の使い方もマシになったし…言葉を濁しながら言う。
目が泳いでるのがわかったが、それ以上は言えなくて。
沈黙に耐えかねた平子が、好きにしぃと言ってくれてホッとした。
一緒にいれなくなる。それだけが悲しいけれど、あんな目で見られているだけで辛いから。
やっぱり出るべきなんだと思った。
太陽が昇る頃、少ししかなかった荷物もまとめ終わった。
「もう会えないんだろうな」
そう口に出して言うと一層辛かったけれど…
「なんか美味いもんでもたべ…」
頬に冷たい感触。
「好きだったんだな」
確かめるように言うとズシリと重くて。
今だけだからと、自分に言い訳をして新しい1日を見つめた。
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