藍染×一護 B
□希望と絶望と E
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ご飯を誰が用意するかと、ダラダラしながら言い合っていた。
いつもの日常。
慣れきっていた日々。
急激な違和感。
音と強大な霊圧が辺りを我知らずと浸食していく。
はっと顔をいち早く上げた平子は、ちぃっと舌打ちした。
上部を睨みつける。
ドォーン
という轟音とともに仮面の軍勢の元に人影が2つ落りたった。
とうとう成体を作り出したんかいと一層苦いものが、平子の臓腑にせり上がる。
そして隠すように無言のまま、ニヤリと笑った。
さっと虚化したひよ里が何のためらいも無く片方に突っ込む。
もう片方にはローズが刃を向けていた。
受け流すわけでもなく、一人の成体が首に刃をつけられたまま言伝を吐いた。
「藍染様からの伝言だ。連れて行くよとの仰せ…」
その後の言葉を最後まで聞くでもなく、刃をローズは滑らした。
血飛沫が跳ねる。
ひよ里がもう片方を潰した。
それを合図に平子と拳西がハッチのはる結界から飛び出す。
残された者も続いて平子達を追いかけた。
わざわざ言伝を残したくらいだ、すでに遅いかも知れない。
さらにスピードを上げる。
藍染に場所を知られていた以上、安全な場所など無い。
藍染を倒すことさえ出来れば、良い。
だが、それ以上に一護を奪われることの方が一大事だった。
「一護」
誰彼とはずに名前が呟かれた。
無事でと願うように。