突破記念小説

□鬼畜
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紅色に染まる頬を撫でさすった。

敏感に反応する様がおかしくて笑ってしまう。

私に好意を抱いてないだろうに、あまりに敏感な体のために反応するのだと憎々しく思っているのだろう。

一層激しく責め立てようか、はたまたこの状態のまま縛り上げて放置するか。
苦痛に歪む顔が、涙でぐしゃぐしゃになった顔が、私に実感を与えてくれる…あぁ生きていると。

悔しいか、もっと憎むが良い。
恨めしいか、もっと私を見るが良い。
私以外を見つめなければ良いのだと、責めさいなむ。


飛び散る互いの体液を塗りたくった。
切なげに震える君の体を縛り上げて、少し離れたところから鑑賞する。

「あっ……」

口を金魚のようにパクつかせながら、訴える言葉など聞こえない。
なだらかな腰のラインが、さも淫猥に私を欲してびくつく。

まだあげない。

君は、このままここに縛り付けられたまま朽ちるのだから。

放すまい。

君は私の玩具なのだから。
躾ができたら、外に出してあげても良いけれど。
もちろん、その姿のまま。

「さぁ黒崎一護。私を楽しませるんだ」

なぶりいたぶる。
そこに愛なんてものはない。
ただの醜い執着心だけだ。

「もっと泣け」

殺さぬように、けれど激しく、私の狂気を受け取ると良い。

「なんて醜いんだろう」

笑顔で踏みにじり、痛めつける。
壊れてしまえ、壊れてしまえと。
私以外を見つめるなら、その意志を破壊してしまえば良いのだから。

笑みがこぼれた。

深く深く暗い笑顔。
怯える君の側に立ち、涙を一筋すくってゆっくりと舐めとる。

あと、もう少し。
もう少しで完璧な玩具が出来上がる。


闇が深くなる、夜は明けない。

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