突破記念小説

□親子…
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居間にて兄弟二人で夕食。
父は仕事で遅くなると連絡があったため、珍しく2人っきり。

いつも父が作る美味しいご飯に慣れきった弟の舌が不平をもらした。

兄の作るご飯はいつも適当だ。
味付けから調理法まで。
別段、食べられれば良いらしい。

それを必死に流し込む。
胃に流し込みながら、いっそ今日見たことも流せたら良いのにと一護は思った。

夕食後。
テレビを見ながら、突然切り出した。

「…ギン兄ちゃん…父さん再婚するの?」

涙目で弟の一護がすがりついてくる。
ギンは目に入れても痛くない可愛い弟の勘違いに苦笑する。
2歳下の一護はまたまだ幼い。

「なぁ、どうなんだよ」

「それだけはないんやないかな」

確信に満ちて言う。
一護以外を眼中にいれない父が、そんな苦行をするはずがないからだ。

「ありえへん」

頭をぽんぽんと撫でる。
半泣きになってる一護は可愛い、でも泣かしてしまうと後が恐ろしい。
一護はいまいち納得出来ずに、ギンを見つめる。

「安心し」

「兄ちゃん…でも綺麗な女の人と一緒にいたんだよ」


「部下やろ」

「仲良そうにしてたよ」
「気のせいや」

そうかなぁ…と呟きながら自分に対して嘘をつかない兄の言うことだからと少し安心したのか、視線をテレビに戻した。

ギンは胸をなで下ろす…もうすぐ父である惣右介が帰ってくる…
涙目の一護を見た日には何をされるかわからない…父にとって男尊女卑ではなく弟尊兄卑なのだから。
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