一護受け・その他

□ウル×一
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薄暗い室内。
天井から吊り下げられた鳥籠の中には若い男女ばかりが、ほとんど裸に近い状態で入れられている。
それを何の感情もわかない顔で監視している男がいた。
男は命令を受け従っているに過ぎない。
その静謐な空間で呻き声だけが響いている。
ただ一人を閉じ込めるために作られた空間は、鍵を持った者しか入ることは出来ず。
逃げ出すことができないように、幾人もの人間も鎖に繋がれているのだ。
「まだ諦めないのか」
オレンジ色の男が、眼光を鋭くさせたままにジッと睨みつけてくる。
藍染が唯一独占欲を駆り立てられる男。
感情の起伏が乏しいウルキオラが、怒りを感じるまだ年若い青年。
「諦めてたまるかよ」
この状況下ですら諦めない瞳に、もやもやとした怒りを感じ続けている。
最近の藍染は、この珍しく感情的なウルキオラを愉快そうに観察している。
無機質な機械のような破面に色が宿っていくのが楽しいらしい。
もしも今、ウルキオラが一護を犯したとて怒りはしないのだろう。
ウルキオラに対してだけは…
玩具として扱われていりだけだとわかってはいても、余興の一つだとわかっていても…離れたくない。
それを自覚した時、胸に鈍い痛みが走った。
我慢できるものだが、それでも抉られるように痛い。
見向きもされず、触れることも叶わない。
決して魂が屈することを善しとしない青年を見つめるたびに…痛い。

ウルキオラがそれを恋だと知ることはない。他に知る者がいないのだから…
それでもいつしか胸を抑えて動けなくなってさえも、ウルキオラは生に執着する青年を見つめ続けた。 見失わないように。

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