藍染×一護 A

□最終話 闇編
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欲しい
欲しい
あの光が
欲しい
もう得ることができない
力強い光が
欲しい…
オレを
戒めている楔が憎い
オレを
オレを…
操るなァァァァァ!


卍解を解こうとザエルアポロにのみ気を向けていた藍染は、とっさに一護を庇った。
グリムジョーの攻撃がもろに背中にぶち当たる。「かはっ」
眠っている一護の顔に血がかかる。
しかし一護は目を覚まさない。
あどけなさの残る寝顔が苦しそうに歪んだだけだった。
血の臭いに反応して、壊れたように動いていたザエルアポロがこちらを見てにやっと笑う。
ザエルアポロは雄叫びをあげながら、藍染に向かって…いや、その腕の中の一護に向かって斬撃を振り下ろす。
出血のために力が入らない。
けれど一護を抱いたままで藍染はふわりと跳んだ。
微笑を顔に刻んだまま。
一護を下ろして戦うという選択肢はない…触れていないといついなくなってしまうかと、力の抑制がきかないからだ。
ならば待てば良い。
のらりくらりとグリムジョーの攻撃をかわす。
その間を縫ってザエルアポロも攻撃をしてきた。
ザエルアポロはまだ、腐臭を放つ死体を一護だと思い込んでいる。奪われまいと大切そうに胸に抱きこみ、こちらに攻撃をしてくる。
羨ましいだろう?と勝ち誇った表情で。
その様がおかしくて、つい笑ってしまう。
えげつなく続くグリムジョーの攻撃が、この広大な部屋を壊していく。
「お前も捕らわれていたんだね…一護に」
がらがらと崩れていく天井。
血が着物を汚していく。
一護の顔についた血を拭う、とその動作を見ていたグリムジョーが先程より激しく斬撃をふりおろし、虚閃を放つ。
「そのくらいの狂気じゃあ足りないんだよ」

藍染は満面の笑顔を向けた。

二人が到着したからだ。
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