story
□ショートショート
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アトガキ
これ、わりと最近のことで実際に体験した話なんですが。
猫が倒れていたんです。道路の真ん中に。
俺、実家で猫を飼っているので、すごくつらいです。今飼っている猫の前の猫は車にひかれました。
奇跡的に助かりましたが、その後すぐに病気で亡くなってしまいました。
小学2年生だった俺はその猫が亡くなる日に、親の用事に付き合わされました。行きたくないって言ったんですが、無理矢理に連れてかれて…。
出窓があって、よくそこに上がっては外を見ていたんです。
でも病気だったんで、体力も落ちてたんでしょうね、上がれずに落ちてしまったらしく、それが原因で亡くなってしまいました。
その夜は泣きましたよ。最後に布団で一緒に寝ました。
まだ生きてると思いたかったんでしょう、俺は猫の名前を呼んでは、硬くなってしまった腕や身体を無理に動かして、返事をしてくれてるようにしてました。
何度も名前を呼んで、泣いて、呼んで、泣いての繰り返しでした。
最後に見たのは亡くなる前の夜。部屋のドアをガリガリやられて、起こされました。
ガリガリやるのはよくないことだから、うんと叱ってしまいました。
今考えると後悔しています。寂しかっただけなのに、怒らずに一緒に寝てあげればよかった。
一緒に寝たかった。
親の手を振り払って、家にいればよかった、そうすれば、俺が出窓に上がるのを手伝ってあげれたのに…
あれ?何やってんだ俺、アトガキと関係ない話を書いてる。
2006.1.7