小説 モノスペース

□モノスペース 本編
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「ふざけてなんていないよ。隠す必要の無い事だから、ちゃんと伝えているまでだよ。そうか…もっと直入に言った方が良かったかい?」
「イリサには関係の無い事だわ。」
「関係無くはないだろう。彼を理由に断ってきたのはラナンなのだから。」
「でも…。」
「…不安なんだね、ラナン。大丈夫だよ。私の要求が満たせる時がくるまで、ここに居座るつもりなだけだ。他に何も企んではいない。そのために、私の正体が不明なままの方が不都合だろう。」
「ここに居座る気?」
「見張っていないと、君は何をするか分からないからね。」
「それが迷惑だっていうの。」
「約束を断ったなりに、ある程度譲歩してくれてもいいと思うんだけどねぇ。」

 イリサは自分が巻き込まれているようで、蚊帳の外な状態に置かれている。
それが良かったのか、自体の概容は見えてきた。
つまる所、話の流れは始めからつじつまは合っていたという事だ。
理解はまったく出来ないが、現実は目の前にある。



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