神子
□1章 神子
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ソウェルとカイルがそんな会話をしているころ、森に光り輝く黄金色の光がまわりを覆いつくしていた。
[お帰り……私の愛しい……待っていたよ]
そんな声が聞こえ瑠璃は目を覚ました。
「…誰?…あの光りは?……」
瑠璃は呟くとさっき突然包まれた光のことを思い出していた。
光に包まれた瞬間暖かくてどこか懐かしい……胸が温かくなって目元が熱くなるような、なんとも言えない感情が沸き上がってきた。
瑠璃は胸元の服をつかんで混乱していた。
−こんな感情しらない!どこか悲しくて、でも懐かしい…
瑠璃は知らず知らずのうちに涙を流していた。
「う…ん……」
自分以外の声がして瑠璃はハッとそっちの方を見た。
!!
そこに横たわっていたのは学校の屋上で詰め寄ってきた玲羅だった。
そこで瑠璃は今までは自分達は学校に居たことを思い出した。
しかし瑠璃が座っているところは緑のお生い茂った草がありそこから覗く茶色いのは土だった。
−おかしい……私が居たところにはこんなに沢山の緑はないはずなのに…
すこし落ち着いたの状況を把握しようと下を向いていた視線をあげようとした。