宝物

□亜貴様
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【雨の後には…】修勇




雨は、いつか止む。


そして、そのあとには……。










「修兵。今日、雨降っちゃったね。残念。」

雨を見て、残念そうに眉を寄せる勇音。

「…何で?」

「何でって今日は、2人で出かけようって言ってたでしょ!?」

「そういえば…。」


やっと思い出した。勇音との約束。


「忘れてたでしょ。」

「ちげーよ。」


あからさまに機嫌を損ねた勇音は、俺に背を向けた。


「…忘れてないって。」

「………」

「…それに、いいじゃん。出かけられなくたって。」

勇音の肩が小さく揺れる。

「…出かけられないほうが、家でずっと一緒に居られるじゃん。」


勇音は少しずつこっちを向く。

「…今日は、出かけなくていいよね。」

「うん。」


そう言って抱き合った。







「修兵。私ね、雨嫌いなんだ。」

「…俺は、好きだよ。でも、俺がすきなのは雨のあとに出る虹だけどな。」


「私も虹好きだよ。」

「虹は雨が降らないと出来ないんだよ。」

勇音は、黙り込む。


「…勇音。俺が雨ならお前に雨を降らせる。
勇音が悲しむと分かっていても降らせる。」


勇音は黙り込んだまま、話を聞いていた。


「雨を嫌いになってもいい。傘を差してもいい。

でも、雨が止んだら顔を上げてくれ。
虹を見てもらいたいんだ。」


「…うん。」


それからまた、勇音と抱き合って空を見上げた。


「…雨止んだな。」

「うん!…あッ、見て!虹だよ!」






雨の後には、君と虹










亜貴様にわがままを言って書いていただきました♪
ほのぼの甘でニヤけましたよ!
亜貴様、ありがとうございました!!





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