頂き物
□うつくしいひと
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おお寒い、と朝の冷たさを感じた私は、半ば眠ったままの頭で温もりを求め、まるまるように敷布を引きました。きっと敷布も冷たくなっているだろうとぼんやり身構えていたのですが、思いがけずそれは微かに温かく、さらりとした心地よさを素肌に感じました。
ああ、そういえば私の隣にはあの人が眠っていたんだな。
昨夜のことを思い出し、私は少しおかしみを覚えました。同時に、何処かへ行ってしまったあの人を憎らしい、とも。しかし、敷布に温もりが残っているのですから、出ていったのはそう先のことではないのでしょう。どうせなら、私も起こしてくださればよかったのに。
敷布の温もりは、もう彼のものではなく、私の体温に取って代わってしまったようでした。私もそろそろ、蒲団からその身を出すべきなのでしょう。私は頭をだけを敷布から出して、目を開きました。突然の日の光に堪えられぬ、といった風に、その目はすぐに細められてしまったのですが。
その光の中に、彼の姿を見留めました。
「いらっしゃったんですか。…何処かへ行ってしまったのかと」
大久保さんは、私の言葉に振り向いただけでした。窓の近くに立つ彼は、おそらく空を見ていたのでしょう。驚く程、綺麗な空でした。透き通るように白い空と、哀しくなるほど鮮やかな青色の雲。
「晴れていますね」
「ええ、とても素晴らしい天気です」
彼が天気に情緒を感じるのが意外なような気もしましたが、私もその白い空には感動したものですから、黙って頷きました。大久保さんは、窓から桜色の光を受けながら私の顔を見ているようでした。しかし、逆光のために、その表情はよく分かりませんでした。
「大久保さん、こちらへ来てくださいませんか」
私は大久保さんの表情を知りたいと思いました。それならば、私が大久保さんの元へ向かうべきなのでしょうが、私は素肌に何も纏っていませんでしたし、温かな敷布から出て、冷たい空気に触れるのは酷く億劫に思えたのです。
しかし、大久保さんは首を振りました。
「私は、蝙蝠傘ではないので」
その時初めて、私は自分が横たわっているのが、蒲団ではなく手術台であることに気がついたのです。どうりで、寝心地が余り良くないわけだ。
「それでも、構いません」
一瞬の躊躇いののち、大久保さんは手術台へと歩いてきました。
私は、彼を手術台の上で待ち続けているミシンなのです。
「貴方が、蝙蝠傘だったら、」
大久保さんの手が、私の頬に触れ、私たちは口づけを交わしました。
おそらく、これが、最後の。
蝙蝠傘とミシンのようには美しくいかないものなのです。私たちは。
柳原夏桂さまに捧げます!!
大久保木戸とのことだったので、ついついジメジメした話ばかり浮かんできてしまいましたが、なんとか甘味を加えて書いてみました。
大久保さんを暗ーいサディストにしないように気をつけてながらwww←
後、勝手にテーマを「シュール」にしてしまってすみません!!時代背景もめちゃくちゃだし…←
あ、芸術作品を愚弄するつもりは一切ありませんよ!
こんなんでよかったら、どうぞ貰ってやってください^^!
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「ワトソン」の鈴木さまから、相互記念に有り難くも頂いてしまった大木戸デス。
ちょ…これは何たる萌えでしょう…!!
内務卿、充分サディスティックですし…!
確かにこの二人の邂逅は、ある意味デペイズマンなのかも知れませんね^p^
第一に木戸さんは薩摩トラウマだし、第二に大久保さんは西郷第一主義だし、何と言えど一番は性格面ww普通合わないwww
いやでも、どっちも破綻してるって点では調和とも取れますかね、大木戸は(←そろそろファンにさしころされそうだ/笑)
最後と言いつつ最後に出来ない感がムンムンしてて、によによが止まりません…!
傍から見れば成立、本人らは無自覚な、そんな不思議なディスコードにめろめろです…情景も綺麗でうっとりです!!
あわわ…こんなスゴイモノ頂いてしまっても、本当に宜しかったんでしょうか…;
鈴木さま、本当に有難うございました…!