想いを紙に
□1話 紙現術
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灯りの失せた街並み
人々の影はどこにも無い
頬を撫でる風の唄
耳に響く穏やかな波
そのすべてを見守る淡い月
静かな夜だ。
何とも心地がいい。
…これがただの散歩だったら最高だったのだが…
さて、簡単な自己紹介でもしてみようか。
俺は紙本和樹。
現在パシられ中の14歳だ。
となりを歩く女性は華蓮。
年齢は……人間で考えたら何歳になるんだ?
一見20代後半くらいの普通の人間に見えるが、中身は1000歳間近の妖狐だ。
今は俺が頼んで化けてもらっている。
酒を買う為に
中学生の俺は、当然酒を買うことはできない。
しかし俺はそれを買わなくてはいけない。
なぜならパシリだからだ。
そこで、大人の姿をした華蓮に代わりに買ってもらおうというわけだ。
で、俺をパシってる奴は…
…とその前にコンビニに着いたから、この話は後にしよう。