記憶の欠片
□4話 赤髪の銀使い
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「まったく、大変な目に遭った」
「お疲れ様です」
二人は大きな紙袋を持って店を出た。
紙袋にはパンが大量に詰め込まれている。
全てセリミアの店の売れ残りを貰った物だ。
「次はどこに行きます?」
「仕事させられない所」
「今日はもう仕事させないですよ」
「今日はって何だよ」
「私の稼ぎだけじゃ二人分の生活費には足りないんです」
「もうカンベンしてくれ」
「さあ行きましょ!街を案内します」
ラミの案内で街を一周歩いて回った。
街には八百屋や魚屋、肉屋といった店から武器屋に道具屋、酒場などの店まで揃っていた。
「街の真ん中にある大きな建物は何だ?」
「あそこは闘技場です。能力者たちが腕を競い合っているんですよ」
「へぇ〜、賞金とか出るのか?」
「ええ、…ラオマさん試合に参加するんですか?」
「ああ。いい稼ぎになるんじゃないか?」
「でも…危ないですよ」
「大丈夫さ。ところで図書館とかあったら行きたいんだが」
「図書館ですか?それなら少し先にありますよ」
「案内してくれるか?」
「ええ、こっちです」