記憶の欠片
□8話 提案と条件
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ラオマ、ラミ、ロゼルの三人は街の外に向かって歩いて行く。
「へぇ〜!ラオマって記憶喪失だったんだ」
途中でロゼルが驚きの声をあげた。
「あたしと戦う前には旅人って言ってたじゃないか」
「俺が記憶喪失だろうとお前には関係なかっただろ?だから詳しく話さなかっただけだ」
「そっかぁ記憶喪失か……あんだけ強いなら、どっかの国の兵士とかなんじゃない?」
「まさか。どこに数千本の剣を隠し持ってる兵士がいるんだよ?」
ロゼルもその意見には同意らしく、僅かな笑みを浮かべていた。
やがて三人は街の外にある森の入り口に着いた。
「フェザー、出ておいで」
ロゼルの声に反応して茂みからフェザーが顔を出し、三人の前まで歩いて来ると座りこんだ。
「さ、乗って」
ロゼルはひょいとフェザーにまたがると、二人を乗るように促す。
「乗って…って、どこに行くんだ?大会はまだまだ先なんだろ?」
それを聞いたロゼルはきょとんとしている。
「何ねぼけた事言ってんのよ!まさかラミに戦わせる気じゃないわよね?」
「チームは俺とお前だろ!?ラミは関係ない!」
「じゃああと一人は誰がでるのさ!?」
「あと一人?」
今度はラオマがきょとんとする。
「あれ、言ってなかった?チームは三人以上だよ」
「言ってなかったぞ!!」
ラオマが怒鳴る。
「まあ、話は移動しながらするよ。さ、乗って」