ホストシリーズ
□1.再会
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<Side Eiji>
仕事前、飲み物と切れてしまった煙草を買いに寄ったコンビニ。
レジに居たのは無情にも男の店員だった。
「チッ…」
女なら仕事で培ったテクで堕としたのに…。
「いらっしゃいませ」
おいおい、店員のくせに愛想なしかよ。
ニコリともしない男に俺の機嫌が更に悪くなった。
「…あ!」
しかもいきなり俺を指差すとかどーゆー事。
こんなトコ二度と来ねぇと不快を露にしてたら店員の顔がパッと明るくなった。
ん…?
「エージ先輩!!」
「…あ?」
いきなり名前を呼ばれて間の抜けた声が出た。
けど何となくその声に記憶がある…。
良く見ると小顔で背も低い。
女に見えなくもないコイツは…。
「リョーマじゃねーか!!」
中学、高校が同じでよく一緒にいた大切な…仲間。
ずっと恋心を抱いてきたが、結局告げる事無く終わった。
それが今、目の前にいる。
「俺…ずっと心配してたんだよ…?先輩、学校退学になったあと連絡も取れなくて…」
俯いて泣きそうなリョーマの頭を撫でてやる。
一瞬ココがコンビニなのを忘れてた。
「リョーマ、何時に上がれる?」
「えっと…店長!!俺腹が痛いから早退します!!」
言って裏口に駆けて行ったリョーマの行動力の早さに笑った。
普通腹が痛かったら腹押さえてゆっくり歩くもんだろ…。
相変わらずで安心した。
リョーマは何も変わってない。
昔のままだった…。
<続>