ホストシリーズ

□3.邂逅
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<Side Syu>



人間は何て愚かな生き物なんだろう。

此処に居る僕もその内の一人になるけれど…。


一番ならいつだって簡単になれた。

だけどそれじゃあツマラナイ。

だから僕は一番の人間をじわじわと追い詰めて落とす。

だってその方が楽しいでしょ…?


「いらっしゃいませ」

「あ、あの…」

珍しくウチに男の客が来た。

といっても背の低さと幼い顔付きからしてまだ成人してない事が窺える。

キョロキョロと辺りを見回して誰かを捜しているようだ。

「誰かお捜しですか?」

「あ…えっと、エージ先ぱ…じゃなかった、エージさん…いますか?」

…あぁ、この子はきっとエイジの『トクベツ』だ…。

直感的にそう思った。

今まで指名してきた女達とは違う、まだ穢れていない目をしていた。

「今別の方の所にいるから、エイジが来るまで良かったら僕がお相手しますよ?」

都合よくエイジはまだこちらに気付いていない。

少し戸惑った後、差し出していた手の上におずおずと彼の手が乗せられた。

「ご案内します」

極上の営業スマイルを向けてエスコートした。


「此処は初めて?」

「はい…」

席に着いても落ち着きなく辺りをキョロキョロしては膝の上に置いた手をギュッと握る。

小動物みたいで何となく可愛いと思った。

エイジのモノ…取ったら彼は一体どんな顔をするだろう。

これから起こる事を考えると胸が高鳴った。


「いいエモノを見つけた…」



<続>


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