ホストシリーズ
□5.微熱
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<Side Ryoma>
エージ先輩を待ってる間、シュウと色んな話をしてた。
実は同じ大学の先輩で、しかも学部まで一緒だったとか。
共通の話題で盛り上がったりして、何だかすごく親近感がわいた。
おかげで退屈しなくて済んだし…。
俺にはさん付けせずにシュウって呼んでほしいとか。
歳なんか気にしないでって言われた。
すごくいい人だ。
会ってまだそんなに経ってないのに、この人になら何でも話せるような気さえした。
「おい…何勝手に人のモンに手ェ出してやがる」
先輩の声がして腕時計に目をやると、あっという間に一時間が経ってた。
何だか声が低いみたいだけど怒ってる…?
眉間にシワまで寄ってるし…。
何で?
「酷いなぁ。ナンバーワンのエイジさんが忙しそうだったから代わりに相手をさせて頂いてただけなのに…」
「そうだよ、シュウは悪くないよ!」
シュウは俺に付き合ってくれてただけだもん。
なのにそんな怒んなくてもいいじゃん…。
エージ先輩の機嫌はまだ収まらない。
「そりゃ悪かったな…。俺の!リョーマが世話になった」
そう言って俺の隣にドカッと座ってきた先輩は俺の肩をグイと抱き寄せた。
慌てて先輩を見上げる。
「愛してる…」
低い声で告げる先輩の目はマジだ…。
思わず頬が上気し、紅くなった。
髪にキスまでされて、こんなにストレートなの初めて…。
ドキドキしたと同時に嬉しかった。
俺が先輩を好きなように、先輩も俺のこと好きでいてくれたんだ…。
<続>