先輩と後輩。
□7話
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車に乗って真千のところへ行った陸は会社での出来事を全て話した。
「話しはわかったわ…至急応援を…。」
真千が電話をしようとすると、陸がその手を制した。
「やめてくれ。俺1人でいく。」
「はぁ…気持ちはわかるけどね〜あんた1人でどうにかなる相手じゃないのよ。」
真千は智紀の過去を全て知っていた。
「智さんがおびえていたあいつのこと…知ってるのか?」
真千は陸の真剣な顔に負け、智紀の過去を語ることにした。
「本当は本人から聞いたほうがいいんだけどね…今はそんなこと言ってる余裕はないみたい。」
智紀の過去を話している間、陸は一言も話さなかった。
智紀の背負っているものの重さに何もいえなく、自分には智さんに何ができるだろうかとずっと考えていた。
「だからね、元マフィアであった両親を殺したってことはかなりの腕がたつってことよ。はっきり言って、陸は智紀より弱いわ。その智紀がかなわなかった相手に陸が勝てるなんて私は思っていない。」
真千も智紀が心配だ。
だからといってこのまま陸1人で行かせてしまったら犬死にするだけなのは明らかだった。
「わかった…俺1人じゃ行かない。救援を頼む。」
拳を握り締めながら真千に言った。