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□SとN(チカ⇔なり)
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奴には

いつも周りに誰かいて

いつも笑っていて

いつも授業中寝ている



我は

いつも一人でいて

いつも無表情で

いつも勉強ばかりしている



言うなれば我と奴は対極同士









「元就〜!!」
振り向くのも億劫
声の主は分かっている

奴が何故我に絡んでくるのかは解らない

「元就っ帰ろうぜ!!」
「何故いつも我と帰りたがる」
「お前と帰りてぇからじゃん?」

そんな言葉で女共を騒がせているのも知ってる
だが、我は違う
我はあんな女共とは違う

「今日チャリだから乗ってけよ」
「二人乗りは違反だぞ」
「んな固ぇこと言うなよ」
「フンッ」
「あ、そうそう!!今日もやきそばパン取れなくてよ〜…食った事ある?美味いんだぜぇ?」
「……」

奴が一人で喋ってる内に駐輪場に着き、銀髪が自転車を出す姿をただ見ていた

「ほら、乗れよ」
「断る」
「早く帰れるぜ?」
「違反だぞ」
「だ〜か〜らー…」

言葉を無視しながら一人校門の方へと向かう


今日は日差しが強い
夕方に差し掛かった今でさえ暑い

雲一つない青空

梅雨が明ければまた日輪を拝める日が増える

そんな事を考えていたら、目の前で自転車が金音を上げて止まった




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