特殊小説
□彼の本命
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人々が集まる公園の噴水前、そこが今日の待ち合わせ場所
予定時刻より早くに来てしまったマーモンは、暇つぶしとして滅多に読まない(仕事が忙しくと)本に読み耽っていた。
そのマーモンに集まる多くの視線、本人は気付いていないが
今のマーモンの姿は、水色のカットソーに膝より少し長めのスカート、紫の綺麗な髪は高い位置で結び、うっすらと化粧をしている。
これは全て、彼女を溺愛するヴァリアーの幹部の手によってされた。
服はXANXUSとベルフェゴールとレヴィの三人が、髪は器用なスクアーロ、ルッスーリアは化粧を担当した。
どれもマーモンのかわいらしさと大人っぽさを引き立たせていた。
「マーモン」
ふと呼ばれる名前にマーモンが顔を上げると、待ち人――リボーンが立っていた。
「待たせたか?」
「別にいいよ」
そうかと言うとリボーンはマーモンへと花束を差し出した。
「Bono Conpleanno」
「ありがとう」
素直に礼を告げた、マーモンの顔は嬉しそうだ。
やはり、女の子だけはある。
二人は腕を組むと町に向かって歩き出した。
今日は一日、マーモンの希望通りにデートをする予定なのだ。