特殊小説
□彼の本命
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「おい、ツナ!」
ノックも無しにいきなり執務室へと入って来た自分の家庭教師にツナは目を見張った。
いつもより完璧に整えられた身なりに、手には燃えるように赤い薔薇の花束。
どこからどう見ても、デートに行くスタイルだ。
「今日は一日、出掛けていねぇからな」
「いいけど、誰と?愛人…じゃないか」
愛人と会ってもそこまで身なりを整えたりしない筈
それにこの間、リボーンが愛人全員と手を切るのを見ていたので違うと分かる。
では誰か?と唸るツナに、リボーンはクツクツと喉を鳴らして笑った。
「本命だ、今日が誕生日のなんだよ」
「へえー、リボーンの本命………えっ!?」
固まるツナを尻目に、じゃあなと言ってリボーンは部屋を出ていった。
あいつ…本命居たんだ…
妙に感心しながら、ツナはちらっとカレンダーに視線を向けた。
今日が誕生日…七月二日…二日?
そこまで思い出して、あっと声をあげる
「そうか!リボーンの本命って」