特殊小説
□聖なる日に――リボマモ♀
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緑と赤の二色に彩られた街を、ムスッとした顔で睨み付ける。
クリスマス、なんて僕達独立暗殺部隊ヴァリアーには不要なもの
昔の僕は、そう思っていたけど今は違う
折角、リボーンと恋人になったのだからクリスマスは二人で過ごしたい
でも、そんな我が儘が通用する筈もなく僕はこうして任務に出ている。
「はぁ」
吐き出す溜め息も、いつもより重い
憂鬱な気分で、イルミネーションが点された街を後にした。
「ここかい…?」
古びた廃屋、此処に今日のターゲットが居る筈なのだが
人の気配が全くしない
相当の手練れか、はたまたたんに誰も居ないだけか
後者であることを期待しながら、マーモンは建物に足を踏み入れた。
中は外とは違い、損傷が少なく十分に人が暮らせそうな場所だった。
用心の為、何時でも幻覚を発動出来るように構える。
気配を殺しながら、建物の中を進んで行くと人の気配を感じた。